さしすせそ歳時記|季節の食材と和の調味料で楽しむ、四季の台所

日本の台所には、昔から受け継がれてきた「さしすせそ」の知恵があります。
砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)・醤油(せ)・味噌(そ)
それぞれの調味料は、旬の食材を引き立て、季節の食卓を豊かに彩ってくれます。
このシリーズでは、旬の恵みと和の調味料を組み合わせた、季節感あふれるレシピをご紹介します。

夏に旬を迎える「甘長とうがらし」。

見た目は青唐辛子のようですが、辛味は少なく、青臭さもやわらかいので副菜や常備菜にぴったりです。

今回は、だしの効いた甘辛味で煮含め、冷やしても美味しい「甘長とうがらしの甘辛煮」をご紹介します。ご飯のおかずにも、お酒のお供にもおすすめの一品です。


甘長とうがらしとは?

辛味の少ない青唐辛子で、夏から初秋に旬を迎える野菜です。焼いても煮ても美味しく、京都の「万願寺とうがらし」や「伏見甘長」などが代表的な品種として知られています。

👉 特徴や旬、栄養については こちらで詳しくご紹介しています。


レシピ|甘長とうがらしの甘辛煮

だしの旨みをきかせたやさしい甘辛味。冷やしても美味しくいただける、夏の常備菜にぴったりの副菜です。

  • 甘長とうがらし…10本
  • だし…100ml
  • しょうゆ…大さじ1
  • みりん…大さじ1
  • 砂糖…小さじ1
  • お好みで七味唐辛子・粉山椒など(なくても〇)
STEP1
下ごしらえ

甘長とうがらしはヘタの長い部分を取る。(種はそのままでOK。大きめのものは斜めに切れ目を入れておくと、味が染みやすくなる)

STEP2
調味液を用意する

鍋にだし・しょうゆ・みりん・砂糖を入れ、中火にかける。

STEP3
煮る

甘長とうがらしを加え、落としぶたをして中弱火で5分ほど煮る。

途中で一度裏返して、煮えムラをなくす。

STEP4
冷ましてなじませる

粗熱を取り、冷蔵庫で冷やして味をなじませる。お好みで七味唐辛子、粉山椒などをかけても〇

美味しく作るコツ

だしの風味を生かしながら、甘長とうがらしの持ち味を引き出すためのちょっとした工夫です。

大きめの甘長とうがらしには斜めに浅く切れ目を入れておくと、煮汁が中まで染み込みやすくなります。

煮崩れを防ぎ、全体に均一に味が行き渡ります。アルミホイルやクッキングシートで代用しても。

\落し蓋について知る/

火を止めた後すぐよりも、粗熱を取って冷やしてからの方が、だしと甘辛味がなじみ、より上品な味わいになります。


保存方法

甘長とうがらしの甘辛煮は、作り置き副菜に最適です。正しい保存で最後まで美味しく食べてください。

  • 冷蔵保存:密閉容器に入れて冷蔵庫で保存すれば、2〜3日ほど日持ちします。
  • 食べるとき:冷たいままでも、軽く温め直しても美味しくいただけます。
  • 冷凍保存:食感が損なわれやすいためおすすめしません。

アレンジのアイデア

そのままでも美味しいですが、こんな食べ方もいかがですか?

  • 冷奴や素麺の付け合わせに
     だしの効いた甘辛味が、さっぱりした料理によく合います。
  • 七味や山椒で大人味に
     仕上げにひと振りするだけで、香り豊かな副菜に変身。
  • 油揚げやちりめんじゃこと一緒に煮る
     旨みが重なり、ご飯のおかずにぴったりです。

ミニコラム|甘長とうがらしの栄養

夏にうれしい栄養がぎゅっと詰まった野菜です。

  • ビタミンC:紫外線対策や疲労回復に。
  • βカロテン:抗酸化作用で免疫力アップ。
  • 食物繊維:腸内環境を整える働きも。

特に油と一緒に調理することで、脂溶性のβカロテンやビタミンEの吸収率が高まります。


おわりに|夏に寄り添う副菜として

だしの旨みと甘辛味がしみ込んだ「甘長とうがらしの甘辛煮」は、冷やしても美味しくいただける夏の定番副菜♪ 作り置きしておけば、食欲が落ちる暑い日でも食卓に涼やかな彩りを添えてくれますよ。

あっという間に出来上がる簡単副菜です。甘長とうがらしを見つけたら、ぜひ作ってみてください。


\甘長とうがらしの基礎知識はこちら/

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