夕暮れどき、台所に立つと、だしの香りとともに土鍋の湯気がふわり。
ほっくり甘いさつまいもと、きのこの香ばしさが混ざり合って、なんともいえない温かい香りが広がります。

今回は秋を思う存分堪能するやさしい炊き込みご飯です。
土鍋でふっくらお焦げまで美味しく、もちろん炊飯器でも簡単にできます。

今日一日の疲れを癒す、家族の食卓にぴったりの一品、ぜひお試しください♪


レシピ|きのことさつまいもの炊き込みご飯

材料分量
3合
きのこ(しいたけ3〜4個・しめじ1/2株・えのき1/2袋)合わせて約250g
さつまいも中1本
油揚げ(油抜きせず使用)1枚
だし汁450ml
薄口しょうゆ大さじ3
大さじ2
みりん大さじ1
黒ごま適量(仕上げ用)

STEP1
米を研いでおく

米は研いでザルに上げ、30分ほどおく。(柔らかいお米がお好みでしたら、15分浸水→ザルに上げ15分おくのがオススメ)

※【炊飯器】で炊く場合は浸水の必要はありません。

STEP2
きのこの下ごしらえ

しいたけは石づきを取り薄切りに、しめじは小房に分け、えのきは4等分に切る。

STEP3
きのこに下味をつける

鍋にだし汁、薄口しょうゆ、酒、みりん、きのこを入れ、火にかける。煮立ったら弱火にして5分煮る。ザルに上げ、具と煮汁と分けておく(煮汁は炊飯に使用します)。

STEP4
さつまいもと油揚げの下ごしらえ

さつまいもは皮つきのまま1.5cm角に切り、水に5分ほどさらしてアクを抜き、ザルに上げ水を切っておく。
油揚げはみじん切りにする。(油抜きは必要なし)

STEP5
炊く

土鍋に米を入れ、③の煮汁(540ml※足りない分は水を足す)を加えて軽く混ぜる。米を平らにならし、油揚げ、さつまいもを広げてのせる。

蓋をして強火にかけ沸騰したら、弱火にして8〜10分。

【炊飯器】で炊く場合は、炊飯器の目盛りに合わせて、白米炊飯でOK。

👉 沸騰の音が「ボコボコ」から「パチパチ」に変わるころが、火を止める目安。または、焦げた香りがしてきたら火をとめてOK。

STEP6
きのこを入れて蒸らす

炊き上がったら火を止め、手早くきのこを全体にちらすように乗せて、再び蓋をする。
温度が下がった分、再度弱火1~2分加熱してから、火を止めて20分蒸らす。

STEP7
仕上げ

全体をさっくり混ぜ、器に盛りつけて黒ごまをふる。

※【炊飯器の場合】は、炊き上がったら混ぜて完成。


美味しく作るコツ

炊くときの液体は540ml(米と同量)が目安。きのこの煮汁を計って、足りない分は水で調整します。

複数のきのこを使うことで、香りと旨みがより豊かになります。

先にだしで煮ることで、香りと旨みをしっかり引き出せます。なるべく香りが飛ばないように、弱火で5分程度煮ます。
このひと手間が、味に深みを出すポイントです。

油揚げは油抜きをせず、粗みじん切りにして混ぜ込みます。
全体にまろやかさと旨みが広がり、満足感のある味わいに。

まずは、お米を研いでからザルに上げて30分以上おき、浸水させます。
炊く際は、最初は強火でしっかり沸騰させ、その後弱火で8〜10分
最後の蒸らし20分で米の芯までふっくら仕上がります。


アレンジアイデア

仕上げにゆずの皮を少量散らすと、香りが際立ち上品な印象になります。

油揚げの代わりに鶏もも肉を加えると、ボリュームのある炊き込みご飯に。

冷めても味が落ちにくく、おにぎりやお弁当にもおすすめ。
黒ごまを多めにふると香ばしさがアップします。

知恵袋コラム|土鍋がごはんをおいしくする理由

土鍋で炊いたごはんは、なぜこんなにおいしいのでしょうか。
その秘密は、“遠赤外線のちから”と“保温性”にあります。

土鍋は陶器の層が厚く、熱をゆっくりじんわり伝える性質があります。
そのため米の芯まで均一に熱が届き、粒がふっくらと立ち上がります。
火を止めたあとも余熱でじわりと蒸らされ、まるで一粒一粒が「呼吸している」ように炊き上がります。

また、土鍋の遠赤外線はお米の表面をやわらかく包み込み、内部の水分を逃がさず甘みを引き出してくれます。
この効果で、冷めてもおいしいのが土鍋ごはんの大きな魅力です。

地域によっては「伊賀焼」や「信楽焼」といった土鍋が有名です。
どちらも耐火性が高く、昔ながらの竈(かまど)に使われてきた素材。
ゆっくり温まり、ゆっくり冷める特性が、今も台所で愛され続けています。

現代ではガス火だけでなく、IH対応の土鍋や小型のごはん専用鍋も増えました。
便利になった今だからこそ、手をかけて炊く時間に“特別な豊かさ”を感じるのかもしれませんね。


おわりに|秋の食卓には土鍋が似合う

土鍋の蓋を開けて湯気と香りで包まれる瞬間は、至福のひと時ですよね。
おこげを分け合いながら、「おかわりある?」なんて声が飛び交う…土鍋のある食卓には、あたたかい時間が流れています。

きのことさつまいもの炊き込みご飯は、そんな日常の中にそっと寄り添う秋のごはん。
今日も一日おつかれさま、と心を込めて、湯気の立つ土鍋を囲んでみてください。


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