夏から秋にかけて出回る珍しい野菜、金時草(きんじそう)。

葉の表は深い緑、裏は鮮やかな紫という二つの表情を持ち、茹でるとほんのり赤紫が溶け出す姿がなんとも美しい野菜です。

シンプルにおひたしにするだけで、食卓に季節の彩りを添えてくれます。今日は、初めてでも作りやすい「金時草のおひたし」の基本レシピをご紹介します。


金時草とは?

はじめに、「金時草(きんじそう)」とはどんな野菜なのか…少しだけ紹介♪

金時草(きんじそう)は、加賀野菜としても知られる伝統野菜のひとつです。
地域によって「水前寺菜(すいぜんじな)」「式部草」「はんだま」と呼ばれることもあります。

茹でると鮮やかな赤紫色の汁が出るので、初めて見ると驚かれるかもしれませんか、これこそが金時草の特徴。

モロヘイヤのようなぬめりがありながらクセが少なく、ほんのりとした甘みと独特の風味が味わえます。

おひたしや和え物にすると、やさしい味わいで食べやすく、さらに紫色の美しい彩りが楽しめますよ。

\金時草について詳しく知る♪/

ミニコラム|金時草の栄養豆知識

金時草の紫色は、ポリフェノールの一種「アントシアニン」。
抗酸化作用があり、目の疲れや紫外線によるダメージから体を守る働きが期待されています。

さらに、モロヘイヤのようなぬめり成分には整腸作用があり、夏場の疲れやすい時期にぴったり。
鉄分やカルシウムなどのミネラルも含まれているので、女性や成長期のお子さんにもおすすめの野菜です。


金時草のおひたし

ほんのりとしたぬめりと、赤紫の色合いが特徴的な金時草。
さっと茹でて出汁に浸すだけで、食卓を彩る爽やかな一品になります。

  • 金時草(一束)
  • 塩 … ひとつまみ
  • だし… 150ml
  • 薄口しょうゆ … 大さじ1
  • みりん … 大さじ1
  • 鰹節 … 適量
STEP1
下ごしらえをする

金時草は茎と葉を分ける。(ここでは葉のみを使用)

STEP2
茹でる

沸騰した湯に塩をひとつまみ入れ、葉を20〜30秒ほど茹でる。すぐに冷水に取り、水気をしっかり絞る。

STEP3
だしに浸す

鍋に出汁・薄口しょうゆ・みりんを入れて一度沸かし、火を止める。粗熱が取れたら金時草を加えて浸す。

STEP4
仕上げる

器に盛り、鰹節をふりかける。

  • 金時草は長く茹でると色が濁りやすいので、さっと短時間で茹で、すぐに冷水で冷やして色止めをしましょう。
  • 鮮やかな色を保つため、だしは冷ましてから浸すのがポイントです。
  • 冷蔵庫で冷やせば、より味がなじんで、作り置きにもおすすめ。
  • 茎の部分は硬いですが、素揚げや天ぷらにすると香ばしく楽しめます。

おわりに

金時草はまだスーパーではあまり見かけない珍しい野菜ですが、独特の紫色とぬめりが、いつもの食卓に新鮮さを添えてくれます。

季節に出会えたら、まずはシンプルなおひたしで味わってみてください。


\和だしについて知りたい方は…/