~さしすせそ歳時記|季節の食材と和の調味料で楽しむ、四季の台所~
日本の台所には、昔から受け継がれてきた「さしすせそ」の知恵があります。
砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)・醤油(せ)・味噌(そ)。
それぞれの調味料は、旬の食材を引き立て、季節の食卓を豊かに彩ってくれます。
このシリーズでは、旬の恵みと和の調味料を組み合わせた、季節感あふれるレシピをご紹介します。
寒さが深まるころ、脂ののった鰤(ぶり)はまさに冬のごちそう。
焼き上げると皮目がこんがりと香ばしく、たれの照りが艶やかに光ります。
今回は家庭のグリルを使って、たれを重ね漬け。香ばしい甘辛しょうゆが脂ののったぶりに絡む絶品レシピです。
お酒もごはんも進む定番の味を、丁寧に仕上げてみませんか。
レシピ|鰤の照り焼き
材料(2人分)
材料 | 分量 |
---|---|
鰤(ぶり)の切り身 | 2切れ |
塩 | 適量 |
しょう油 | 大さじ2 |
みりん | 大さじ2 |
酒 | 大さじ2 |
砂糖 | 大さじ1 |
作り方
・鰤の切り身に軽く塩をふって、15分ほどおき、出てきた水分と塩を洗い流して水分を拭き取る。皮目に0.5〜1cm間隔で浅く切り込みを入れる。


切込みは、焼くときの反り返りを防ぐことと、たれのなじみをよくする効果があります。深く入れすぎると身が崩れやすくなるので注意しましょう。皮の厚みの半分程度で◎
小鍋または器に、しょうゆ・みりん・酒・砂糖を混ぜ合わせる。
水気をふき取った鰤の切り身を加え、落としラップをして20分ほど漬け込む。


途中で上下を返すと、味が均一にしみ込みます。
魚焼きグリルを温め、鰤を表になる面を上にして並べる。
弱火で約6分、裏返して2分ほど焼き、7~8割火を通す。


この段階では、まだ照りを出す前の“下焼き”の状態です。
裏→表→裏→表の順に、刷毛でたれを塗りながら1〜2分ずつ焼く。


何度か塗り重ねることで、照りが深まり、美しいつやに仕上がります♪
残ったたれを小鍋に移し、弱火で軽く煮詰めて照りを出す。
焦がさないように注意しながら、とろみがつく程度で火を止める。

器に焼き上がった鰤を盛り、かけダレを上から回しかける。

焼いた白ねぎや酢取り蓮根を添えると、香りと彩りのバランスがいいです。
今回は酢取り蓮根添えています。(※酢取り蓮根は、茹でたれんこんを甘酢に5~6時間漬けたものです)
美味しく作るコツ
- 皮の切り込みで美しい仕上がりに。 反り返りを防ぐだけでなく、味のしみ込みもよくなります。
- 漬け込みすぎないこと。 20分ほどが目安。長く漬けると味が濃くなりすぎてしまいます。
- たれは焦げやすいので、弱火〜中火で。 グリルの温度が高い場合は、アルミ箔を軽くかぶせても◎。
- 塗り重ねるごとに艶が増す。 焦らず丁寧に、焼くというよりは、たれを塗って乾かすイメージで。
アレンジ・付け合わせのヒント
- 白ねぎの香ばしさを添えて
鰤を焼く前に、5cm長さに切った白ねぎをグリルでこんがり焼いておきます。
盛り付けの際に添えると、香りと甘みが加わり、ぐっと料理店っぽくなります。 - 旬を感じる付け合わせ
酢取り蓮根、菊花かぶ、青菜の浸しなど、酸味や彩りを添えると全体が引き締まります。
🍚 迷わない♪今日の献立
献立のヒント
寒鰤の濃厚な旨みに、香ばしい白ねぎとだしの香りを合わせた主菜。
副菜と汁物には、やさしい味わいのものを組み合わせて、口の中をすっきりと整えるとバランスがよくなります。
- 主菜: 鰤の照り焼き 白ねぎ添え
- 副菜:菊花ときのこの和え物 、または小松菜の胡麻和え
- 汁物:きのこの澄まし汁
→ 脂ののった鰤を、香味とだしで上品にまとめる冬の一汁二菜です。
保存方法と保存期間
冷めてから密閉容器に入れ、冷蔵で2〜3日。
食べる際は電子レンジで軽く温め直すと、照りが戻ります。
おわりに|冬の食卓に、やさしい照りを
ていねいに焼いた鰤の照り焼きは、立派な食卓の主役ですね。
少々手間でも、漂う香ばしいしょう油の香りに包まれながら、たれを塗り重ねて焼く時間も料理の楽しみ。
寒い季節に、あたたかいごはんと一緒に楽しんでくださいね♪
\12月の行事食を楽しむ/
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