やわらかな里芋に、いかのうま味をじんわりと染み込ませた煮物。
煮崩れを防ぎながら、だしの香りとつやをまとわせたいときには、しっかりした下ごしらえと最後の火加減がポイントです。
今回は、煮っころがし風の下処理を取り入れた「いかと里芋の煮物」をご紹介します。

旬の里芋と年間を通して水揚げされるスルメイカの煮物。
和食の煮物のレパートリーには是非加えておきたい「王道の煮物」です♪


『いかと里芋の煮物』レシピ

  • スルメイカ   1杯
  • 里芋(中)   8~10個
  • 【A】だし汁   300ml
    【A】しょうゆ  大さじ1
    【A】酒    大さじ1
    【A】みりん   大さじ1
    【A】砂糖   大さじ1/2
  • 塩(下ごしらえ用)…少々
  • 酢(下ごしらえ用)…小さじ1
STEP1
里芋の下ごしらえ

里芋は泥を落として洗い、上下を切り落として大きめに皮をむく。
皮をむいたら塩を軽く振って手でやさしくもみ、浮き出るぬめりを水で洗い流す。
鍋に湯を沸かし、酢を加えて里芋を3分ほど下ゆでしてザルにあげ、水気を切る。

STEP2
いかの下ごしらえ

イカは足と胴を切り分け、内臓や軟骨を取り除いてきれいに洗う。
胴は輪切り(1.5 cm程度)、足は吸盤をこそげて適当な長さに切る。

STEP3
煮汁を煮立て、いかを先に煮る

鍋にだし汁、しょうゆ、酒、みりん、砂糖を入れてひと煮立ちさせる。
煮汁が沸いたらイカを入れ、アクを取りながら2〜3分煮て、一旦取り出しておく。

STEP4
里芋を煮る

③で煮た鍋に里芋を加え、落とし蓋をして中火で5分ほど煮る。

STEP5
いかを戻して仕上げる

取り出しておいたいかを鍋に戻し、さらに3〜4分煮込む。
里芋に竹串がすっと通るくらい柔らかくなったら火を止める。

美味しく仕上げるコツ

  • 下ごしらえを丁寧に
    塩もみ+酢ゆででぬめりをコントロールすることで、味が染みやすくつやよく仕上がります。
  • いかを煮すぎない
    イカは加熱しすぎると硬くなるので、途中で取り出しておきます。
  • 落とし蓋で煮崩れを防ぐ
    里芋が直接火に当たらず、均一に味が含まれるように。
  • 火加減を調整する
    最初は中火、仕上げは弱火でじんわりと味を含ませるように煮込むと、優しい風味が出ます。

ミニコラム|スルメイカの旬はいつ?

スルメイカは北海道から東北にかけて、海流に乗って一年中回遊しているので、年間を通して水揚げされます。

そのなかでも7月~9月の春から夏にかけて、暖流にのって北上してくるスルメイカが最も美味しい旬の時期で「夏イカ」ともいわれています。

カリウムやリン、亜鉛など栄養も豊富で、刺し身・煮る・焼く・干すといった様々な料理が美味しく味わえる、とてもありがたい食材ですね♪


おわりに

この下ごしらえ重視の手順を取り入れることで、里芋はほくほくとほどけ、いかはふっくらとした食感に仕上がります。
煮物特有の“優しい味わい”を大切にしながら、いかの旨味がじんわり浸みた、見た目・香り・食感すべてが調和した和の一品に仕上がります。


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