~和ごころ素材図鑑~
このシリーズでは、季節ごとの食材をていねいに紹介しています。
野菜や魚、乾物やお肉など、和食に寄り添う素材たちの魅力を知って、台所でのひとときをもっと楽しく。
夏の夕暮れ、冷たい飲み物と一緒に枝豆をつまむ――そんな光景は、日本の夏の風物詩ですよね♪
ゆでたてをそのままつまむのも格別ですが、枝豆は副菜や主菜、ごはんものまで幅広く使える万能食材です。鮮やかな緑は食卓を涼やかに彩ってくれますし、栄養もたっぷり!
今回は枝豆の旬や栄養、選び方や保存方法、そしておすすめレシピをご紹介します。
枝豆ってどんな食材?

鮮やかな緑の枝豆は、夏の食卓を涼しく彩ってくれますね。
枝豆は、大豆を未熟なうちに収穫したものです。
奈良時代の記録にも登場しており、江戸時代には「枝付き」のまま売られていたことから「枝豆」と呼ばれるようになったといわれています。
居酒屋のおつまみや家庭料理としておなじみですが、昔から人々の暮らしに寄り添ってきた食材なのです。
枝豆の旬
枝豆の旬は6月下旬から8月、地域によっては9月頃まで出回ります。
出始めの初夏はさっぱりとした甘み、盛夏は豆がふっくらとしてコクのある味わいが楽しめます。旬の枝豆は糖度が高く、ゆでただけで驚くほど甘いのが特徴です。
「夏は枝豆」といわれるほど、季節の到来を知らせてくれる野菜ですね。
枝豆の産地

枝豆は日本全国で広く栽培されている夏の定番野菜です。家庭菜園から直売所、スーパーに並ぶものまで、各地で親しまれています。
なかでも 関東地方(千葉県・群馬県・埼玉県)や北海道 は出荷量が多く、首都圏や全国市場への供給を支えています。
また、地域ごとに個性豊かな「ブランド枝豆」も知られています。
「全国どこでも育てられる身近な野菜」でありながら、地域ごとの土壌や気候によって違う個性豊かな味わいも、枝豆の魅力のひとつですね。
枝豆の栄養
枝豆は「畑の肉」と呼ばれる大豆の若採りで、良質なたんぱく質が豊富です。さらに大豆にはないビタミンCを含んでいるのも特徴です。
- たんぱく質:筋肉や体力維持に役立ちます。
- ビタミンB群:疲労回復をサポートします。
- カリウム:むくみ予防や夏の体調管理に効果的です。
- 葉酸:造血に欠かせない栄養素です。
- オルニチン:アルコール分解を助け、二日酔い予防に。
夏の暑さやお酒の機会が増える時期に、まさに理にかなった食材といえます。
おいしい枝豆の選び方

美味しい枝豆を選ぶポイントはこの3つ。
- さやの緑が鮮やかで濃いこと
- 豆が均等にふっくらしていること
- うぶ毛がしっかり残っていること
鮮度が命の枝豆は、時間が経つほど甘みが薄れてしまいます。買ったらなるべくその日のうちに調理すると、最高の味を楽しめますよ。
枝豆の湯がき方とコツ
枝豆を購入したら、鮮度が落ちないうちに、なるべく早く湯がくのがオススメ。
茹で方はこちら。
- さやを取り外す
枝付きのものは枝からさやを取り外します。手でむしり取ることもできますし、硬くて大変な場合は、ハサミで切り離しても◎ - 塩もみ
さやごと塩でこすり、うぶ毛を取ると同時に、塩が豆の中に入り込みやすくなります。 - ゆで時間
3〜5分が目安です。歯ごたえを残したいときは短めに。 - 冷まし方
色鮮やかに仕上げたいなら氷水へ。ただし風味は落ちやすいので、そのまま自然に冷ますのもおすすめです。
枝豆を使った和食レシピ3選
枝豆は茹でて塩を振るだけでも十分美味しいですが、少し飽きてしまったらこんな調理方法もあります。
枝豆とひじきの白和え(副菜)
豆腐のやさしい和え衣に、枝豆の甘みとひじきの香りを合わせた涼やかな副菜です。
枝豆入り鶏つくね照り焼き(主菜)
甘辛だれに絡んだ鶏つくねの中で、枝豆のほくほく感が彩りと食感を添えてくれます。
枝豆と塩昆布の混ぜごはん(簡単ごはん)
熱々ごはんに混ぜるだけ。枝豆の甘みと塩昆布の旨みで手軽に仕上がる一膳です。
枝豆の保存方法
枝豆は鮮度が落ちやすいので、保存方法にも工夫が必要です。
- 冷蔵保存:購入後すぐにゆでて水気を切り、保存容器に入れて冷蔵庫で2〜3日。
- 冷凍保存:かためにゆでて水気を切り、冷凍用袋に入れて1か月程度保存可能です。食べるときは自然解凍や電子レンジ加熱でOK。
- 常温保存はNG:そのまま置いておくとすぐに鮮度が落ちてしまうため、購入したらできる限り早く茹でましょう。
おわりに|

旬の枝豆は、栄養たっぷりで鮮度がいのち。産地や品種によって風味が少しずつ違うので、食べ比べてみるのも楽しいですね。
調理法も、白和えやつくね、混ぜごはんなど、ちょっとした工夫で食卓にさまざまな表情を見せてくれる枝豆の魅力です。
緑のひと皿が加わるだけで、夏の台所がぐっと華やぎます。
今の季節ならではの味わいを、日々のごはんに取り入れてみてくださいね。
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