いなり寿司は、大人も子どもも、思わず手が伸びる、やさしい味わいの一品です。
甘辛く炊いた揚げと、ほどよい酢加減のごはん。このふたつが合わさって、完成される味―――。
日本食の知恵は学ぶにつれ驚くことがたくさんあるのですが、なかでもこのいなり寿司に関しては、最初に考えた人に拍手を送りたくなります。
市販のものも手軽で便利ですが、自分で作るいなり寿司は、やはり格別。
時間に余裕があるときに、ぜひ手作りならではの、やさしいいなり寿司を楽しんでみてください。
レシピ|いなり寿司
材料(10個分)
◆ いなり揚げ
- 油揚げ(寿司揚げ・薄揚げ)…10枚
※ 長いものは5枚を半分に切る - だし … 200ml
- 砂糖 … 25g
- みりん … 50ml
- しょうゆ … 50ml
◆ 酢飯
- 温かいごはん … 約2合分
- 酢 … 大さじ3
- 砂糖 … 大さじ2
- 塩 … 小さじ1
- 白いりごま…大さじ2
※ 酢飯の甘さは、揚げの味に合わせて控えめにしています。
作り方
① いなり揚げを作る
油揚げは、まな板において菜箸を押し付けながら転がし、半分に切る。

油揚げをザルに並べ、熱湯を回しかけて油抜きし、手で軽く押さえて水気を切る。
※絞りすぎないのがポイントです。

鍋にだし・砂糖・みりん・しょうゆを入れて火にかけ、調味料をなじませる。

油揚げを加え、落としぶたをして弱め中火で8~9分ほど煮る。煮立てすぎず、ふつふつ程度を保つ。

火を止め、そのまま冷ます。
② 酢飯を作る
酢・砂糖・塩をよく混ぜ、砂糖と塩をしっかり溶かして合わせ酢を作る。
温かいごはんに合わせ酢を回しかけ、しゃもじで切るように混ぜる。白いりごまも加えて混ぜる。

うちわなどであおぎながら混ぜ、余分な水分を飛ばして粗熱を取る。
ごはんにツヤが出たら、酢飯の出来上がり。10等分にしておくと楽。

③ 仕上げ
いなり揚げの汁気を軽く絞る。(手で押さえる程度に)

揚げを破らないように開き、袋状に整える。
酢飯をふんわりと詰め、空気を含ませるように整える。詰めすぎず、口を軽く内側に折って仕上げる。

ポイント
冷ます時間で味を含ませる
いなり揚げは、火にかけている間よりも、冷めていく過程で味が中まで含まれます。煮上がったらそのまま置き、じっくり味をなじませるのがおすすめです。
揚げは絞りすぎない
汁気を絞るときは、手で軽く押さえる程度にします。強く絞りすぎると、破れてしまうことも。さらに揚げのコクや風味も失われてしまいます。
酢飯は詰めすぎない
酢飯はふんわりと空気を含ませるように詰めます。詰めすぎると重たい印象になるため、口当たりの軽さを意識するとよい仕上がりになります。
前日仕込みも〇
いなり揚げは前日に作っておくことができます。当日は酢飯を詰めるだけなので、行事の日や忙しい日にもオススメです。
よくある失敗とその解決
揚げが破れてしまう
◆原因
油揚げを開くときに力を入れすぎたり、下処理が不十分なまま扱うと、破れやすくなります。
◆解決
油抜き後、煮る前に菜箸で軽く転がしておくと、繊維がほぐれ、袋状に開きやすくなる。また、煮たあとは少し落ち着いてから開くと失敗しにくいです。
全体が硬くなってしまう
◆原因
火を強くしすぎたり、長時間煮続けることで、油揚げの水分が抜け、固くなってしまう。また、酢飯が柔らかかったり、酢飯を詰め過ぎると硬くなる場合があります。
◆解決
弱め中火で8~9分程度を目安に煮る。煮る時間よりも、火を止めて冷ます時間で味を含ませることで、やわらかく仕上がります。
酢飯にするご飯は硬めに炊き、また揚げに詰めるときはギュウギュウしないように、ふんわりと詰めましょう。
煮汁がなくなり、煮えムラができてしまう
◆原因
火加減が強すぎる、または落としぶたをせずに煮ることで、煮汁が早く蒸発してしまう。
◆解決
落としぶたをして、煮汁が揚げ全体に行き渡るようにしましょう。
火加減は弱めに、途中で煮汁が減りそうな場合は、少量のだしを足して調整すると、煮えムラを防げます。
途中で揚げを裏返すのも効果的です(破れないよう気を付けて)。
おわりに
いなり寿司は、特別なごちそうというより、日々の食卓に無理なく取り入れられる一品です。
ひと手間かけて作ることで、やさしく、飽きのこない自分好みの味になります。
少し余裕のある日に、ぜひ手作りしてみてくださいね。
油揚げの選び方や使い分けは、和ごころ素材図鑑「油揚げ」でまとめています。
▶🔗【油揚げ】の種類・使い方
初午(時期:2月初めの午の日)には、いなり寿司が食べられます。
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