秋の訪れとともに、食卓に彩りを添えてくれる食用菊ときのこ。
ほろ苦い菊の香りと、きのこのうま味を、白だしで上品にまとめた和え物です。

だしをとる手間がなく、味もぴたりと決まるので、忙しい日やあと一品ほしいときにも重宝します。
季節を感じる副菜をどうそ♪


レシピ|菊花ときのこの和え物

材料分量
食用菊(黄菊・もってのほかなど)花びら1カップ分(約20g)
しめじ1/2袋(約80g)
えのき茸1/2袋(約80g)
舞茸1/2パック(約80g)
白だし大さじ1
薄口しょうゆ小さじ2
大さじ1
小さじ2
すりごま(白)小さじ2
少々

STEP1
菊花の下ごしらえ

花びらを摘み取り、酢を少し加えた熱湯で10〜15秒ほどさっと茹でる。
すぐに冷水に取り、水気をしっかり絞る。(落し蓋をすると浮いてくる花びらをおさえられます)

STEP2
きのこを加熱する

しめじと舞茸は小房に分け、えのきは根元を落として半分に切る。
耐熱ボウルに入れて軽く塩をふり、ラップをして電子レンジ600Wで1分半〜2分ほど加熱
ざるに広げて冷ましておく。

STEP3
和え衣をつくる

ボウルに白だし・水・酢・薄口しょうゆ・すりごま(仕上げ用に少しとっておく)を入れてよく混ぜ合わせる。

STEP4
全体を和える

冷ましたきのこと菊花を③の和え衣でさっと和える。味見をしてで味を整える。
器に盛り、仕上げにすりごまをひとつまみふる。


🌸 美味しく仕上げるコツ

ほんのひと手間で、菊花の色や香り、きのこのうま味をぐっと引き立てることができます。
繊細な素材だからこそ、下ごしらえや調味の加減が仕上がりを左右します。

香りと食感を楽しむためには、10〜15秒ほどのさっと茹でが基本。茹ですぎると風味が飛び、色もくすんでしまいます。また、茹でる際に酢を加えることで、菊の色が鮮やかに仕上がります。

白だしはメーカーによって塩分濃度が異なるため、塩は控えめに。菊花・きのこの水分もあるので、必ず和えた後に味見をして、足りなければ塩を少しずつ足していきましょう。

素材に水分が多いと、味が薄くぼやけてしまいます。
菊花はしっかり絞り、きのこは熱いうちにザルに上げて、なるべく大きく広げて冷ますのがポイントです。

和えた直後よりも、冷蔵庫で10〜15分ほど休ませると全体の味がまとまり、まろやかで落ち着いた味わいになります。


🍊 アレンジのヒント

白だしのやさしい味わいは、さまざまな素材や香りと相性がよく、季節の副菜にも応用しやすいのが魅力です。
少しの工夫で、食卓に変化と彩りを添えましょう。

仕上げに柚子皮の千切りやかぼす果汁をひとたらしすると、香り立つ料亭風の味わいに。秋の食卓に清々しさが加わります。

菊の代わりに春菊・ほうれん草・菜の花などを使えば、通年楽しめる和え物に。白だしの風味がどの野菜にもよくなじみます。

冷蔵庫で一晩ほど置くと、きのこに味が染みてよりまろやかに。冷やしても美味しいため、お弁当の彩り副菜にもぴったりです。


🥢 保存と日持ちの目安

菊花ときのこの和え物は、冷やしても味が落ちにくく、作り置きにも向いています。
ただし、菊花の香りや色を生かすためには、保存の仕方に少し工夫が必要です。

完全に冷ましてから保存容器に入れることで、水っぽくならず風味が長持ちします。

冷蔵庫(5℃前後)で保存し、2日以内に食べ切るのが理想です。
時間が経つと菊花の香りが薄れ、きのこの食感もやや柔らかくなってきます。

菊花は冷凍・解凍で食感が変わりやすく、水っぽくなってしまいます。
作り置きする場合は、冷蔵保存にとどめるのが最も美味しく楽しめる方法です。

冷蔵庫で半日〜1日ほど置くと、白だしのうま味がきのこに染み込み、全体の味がまとまります。
作りたてよりも、翌日がちょうど食べ頃です。

👉 このレシピは「作りたての香り」と「翌日の味の深まり」をどちらも楽しめる一品です♪


🏵️ミニコラム|文化の日に菊花を添えて

11月3日の「文化の日」は、かつての明治天皇の誕生日にあたり、
「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」として制定されています。

ちょうどこの時期は、秋の花・菊が美しく咲く季節。
古くから菊は長寿や無病息災の象徴とされ、平安時代には「菊の節句(重陽の節句)」として、菊花を浮かべた酒を飲み、健康や長寿を願う風習がありました。

文化の日の食卓に、菊花を使った和え物やお浸しを添えるのは、そんな日本の美意識や季節を愛でる心を大切にするしるしでもあります。
華やかさを添えながら、日々の暮らしの中で“文化を味わう”ひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。


🍂 おわりに|白だしで引き立つ秋の香り

手軽に作れる一皿ですが、器に盛るととても上品な一品になります。
食卓の一角に季節の香りを添えるだけで、いつものごはんが少し特別に感じられますね。

秋のひととき、あたたかいお茶を傍らに、
やさしいだしの香りとともに季節の移ろいを味わってみてください。


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