さしすせそ歳時記|季節の食材と和の調味料で楽しむ、四季の台所

日本の台所には、昔から受け継がれてきた「さしすせそ」の知恵があります。
砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)・醤油(せ)・味噌(そ)
それぞれの調味料は、旬の食材を引き立て、季節の食卓を豊かに彩ってくれます。
このシリーズでは、旬の恵みと和の調味料を組み合わせた、季節感あふれるレシピをご紹介します。

蒸し暑い日が続くと、冷たいものばかりに手が伸びがちですね。

冷房の効いた部屋に冷たい飲み物…体は意外と冷えていて、だるさを感じることもあります。そんなときにおすすめなのが今回の「モロヘイヤのしょうがあんかけおひたし」です。

鮮やかな緑色のモロヘイヤに、だし香るしょうがあんをとろりとかければ、口に運ぶたびにほっと体がゆるむような、やさしい一皿です。


モロヘイヤの栄養

栄養のひとことコラム

モロヘイヤは、ビタミンA・Cやカルシウム、食物繊維が豊富で、夏の栄養補給にぴったり。ねばり成分のムチンは胃腸をいたわり、夏バテ予防にも役立つといわれています。

しょうがと組み合わせることで体を内側から温め、夏の冷えや食欲不振をやさしく和らげてくれます。

※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」モロヘイヤ[葉・生]


レシピ|モロヘイヤのしょうがあんかけおひたし

  • モロヘイヤ…1束
  • だし汁…150ml
  • 薄口しょうゆ…小さじ2
  • みりん…小さじ1
  • 片栗粉…小さじ1(水溶き)
  • おろし生姜…小さじ1
  • 白ごま…適量(なくても〇)
STEP1
モロヘイヤを下ごしらえする

モロヘイヤは葉を摘み、柔らかい茎を少し残して熱湯で30〜40秒ほどさっと茹でる。冷水にとって色止めをし、水気をしっかり絞って食べやすく刻む。

STEP2
しょうがあんを作る

鍋にだし汁・薄口しょうゆ・みりんを入れて火にかけ、ひと煮立ちしたら水溶き片栗粉を加え、なめらかなとろみをつける。火を止めておろし生姜を加える。

STEP3
盛り付ける

器に盛ったモロヘイヤに温かいあんをかけ、お好みで白ごまをのせたら完成。(生姜あんは冷やしてもOK!)


おいしく作るコツ

モロヘイヤは下ごしらえひとつで味も彩りもぐっと変わります。

  • 茹ですぎない
     モロヘイヤの茹で時間は30秒ほどで十分です。長く茹でると色がくすみ、ぬめりが出すぎてしまいます。
  • 茎と葉を分けて茹でる
     柔らかい茎を使う場合は、葉より10秒ほど早めに湯に入れると、火の通りが均一になります。
  • あんは丁寧につける
     片栗粉を加える前に火を弱めるとダマにならず、なめらかなあんに仕上がります。

アレンジアイデア

しょうがあんを基本に、調味料や食材を少し変えるだけで、食卓のバリエーションが広がります。気分や季節に合わせて楽しめる工夫を加えてみてください♪

  • 柚子胡椒あん
     仕上げに柚子胡椒を溶き入れると、ピリッとした辛みと爽やかな香りが加わります。
  • 梅肉すだちを添える
     梅肉やすだちを加えると、さっぱりとした酸味が夏に心地よい味わいになります。
  • 冷やしあんにする
     あんを冷やしてからかければ、涼やかな小鉢になり、食欲がないときでも食べやすいです。
  • 豆腐や茄子にかける
     モロヘイヤだけでなく、豆腐や揚げ茄子にかけてもおいしく、食べごたえのある副菜に変わります。

ミニコラム|夏にうれしい“温冷バランス”

夏は冷たい食べ物や飲み物に手が伸びやすく、体の中が冷えすぎてだるさを感じることがありませんか?
そんなときに役立つのが、“冷たい食材+温める食材”の組み合わせです。

モロヘイヤは冷たく仕上げても食べやすい野菜ですが、しょうがと合わせることで体を内側から温め、冷えとのバランスを取ってくれます。
冷やしても、温かいままでも楽しめるこの料理は、まさに夏の食卓にぴったりの“温冷バランスおかず”です。

まとめ|体をやさしく整える一品

「モロヘイヤのしょうがあんかけおひたし」は、短い時間で作れるのに栄養がたっぷりで、食卓にそっと寄り添ってくれる副菜です。
しょうがの温かみとモロヘイヤのぬめりが調和し、口に含むと体がすっと落ち着くような心地よさがあります。

冷やしていただけば涼やかに、温かいままならほっとひと息。
同じ料理でも表情を変えて楽しめるのも、この一皿の魅力です。

夏の疲れをやわらげたいときや、いつもの食卓に小さな変化を添えたいときに、思い出して作っていただけたらうれしいです♪


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