~さしすせそ歳時記|季節の食材と和の調味料で楽しむ、四季の台所~
日本の台所には、昔から受け継がれてきた「さしすせそ」の知恵があります。
砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)・醤油(せ)・味噌(そ)。
それぞれの調味料は、旬の食材を引き立て、季節の食卓を豊かに彩ってくれます。
このシリーズでは、旬の恵みと和の調味料を組み合わせた、季節感あふれるレシピをご紹介します。
寒くなると、ねぎの甘みをしっかり味わえるおかずが恋しくなります。火を入れるほどにとろりと甘くなる冬の長ねぎは、「酢」ととても相性のいい野菜です。
「酢=さっぱり=暑い季節」というイメージが強いかもしれませんが、黒酢のようにコクのある酢は、加熱することで角が取れ、冬の煮物にもすっとなじみます。
さらに、鶏肉と合わさると、酸味はやわらぎ、じんわりとした深い旨味が残ります。
今回のレシピは、そんな酢×冬野菜の組み合わせを楽しむための一皿。寒い季節にこそ取り入れたい“甘い野菜”と“酢”の使い方としてご紹介します。
レシピ|ネギと鶏肉の黒酢煮
材料(3~4人分)
- 鶏もも肉 … 2 枚(450~500g)
- 長ねぎ … 3本
- しょうが … 1かけ(薄切り)
- ごま油 … 小さじ1
- 青ネギ… 適量(小口切り)※なくても〇
A(煮汁)
- 水…100ml
- 黒酢 … 大さじ3
- 醤油 … 大さじ3
- 砂糖 … 大さじ1.5
- みりん … 大さじ2
- 酒 … 大さじ2
作り方
鶏もも肉は一口大に切り、軽く塩(少々・分量外)をふっておく。
長ねぎは4〜5cm長さに切る。
生姜は薄切りにする(みじん切りでも◎)

ボウルに煮汁の材料(A)を入れて混ぜておく。

フライパンにごま油を熱し、鶏肉の皮目から並べて中火で焼く。
表面がこんがりして脂が少し出るくらいまで焼けたら、いったん取り出しておく。

同じフライパンで長ねぎとしょうがを炒め、軽く焼き目をつける。

鶏肉を戻し、煮汁(A)を加えて、落としぶたをして弱めの中火で10〜12分コトコト煮る。途中で1〜2回、全体を返して煮汁をなじませる。

落しふたを外し、やや強めの火にして煮汁を2/3量まで煮詰める。
とろりと照りが出たら完成。

器に盛り付け、お好みで青ネギをかける。
美味しく作るポイント
黒酢は加熱するとまろやかに
酸味の角が取れ、甘みとコクが前に出てきます。
煮物に使うことで、ツンとしない、奥行きのある味わいに仕上がります。
ねぎは焼きつけることで甘みと香りがアップ
表面に軽く焼き色をつけることで、水分が飛び、甘みが凝縮されます。
煮たときにも形が崩れにくく、香ばしさが全体のアクセントに。
煮詰める段階で一気に仕上がりの味が決まる
最後に煮汁を煮詰めることで、味が鶏とねぎにしっかり絡みます。
逆に味が濃くなりすぎないように、照りが出てきたら火を止めましょう。
アレンジいろいろ
- ゆで卵を加えて、黒酢煮たまご風に
仕上げの少し前に殻をむいたゆで卵を加えると、煮汁が染み込んで満足感のある一品に。翌日になるとさらに味がなじみ、お弁当や作り置きにも向きます。 - れんこん・ごぼうを加えて、冬のおかずに
下ゆでしたれんこんやごぼうを一緒に煮ると、根菜の食感とうま味が加わります。黒酢のコクが土もの野菜によく合い、季節感のある副菜にも。 - 仕上げに黒こしょうで、味を引き締めて
甘酸っぱい味わいに、少量の黒こしょうを加えると全体が引き締まります。ごはんのおかずだけでなく、少し大人向けの一皿にしたいときにおすすめです。
おわりに|黒酢がつなぐ、冬の台所
甘みを増したねぎと、鶏のうま味を、黒酢がすっとまとめてくれる・・・
今回のレシピは、いつもの煮ものに少し変化をつけたい日に取り入れられる一皿です。
酢は、さっぱりとした副菜だけのものではなく、煮ものや主菜にも使える、心強い調味料です。
とくに黒酢は、冬野菜の甘みやコクと相性が◎!後味をやさしく整えてくれます。
「今日は少し、体をいたわるごはんにしよう」・・・そんな日に思い出してもらえたら嬉しいです。
さしすせそ歳時記の“酢”とともに、冬の食卓を楽しんでみてください。
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