~和ごころ素材図鑑~
季節の移ろいとともに、旬を迎える日本の食材たち。
そのひとつひとつには、自然の恵みと、昔から受け継がれてきた知恵が息づいています。
「和ごころ素材図鑑」では、そんな和の素材を、旬・産地・調理法・行事との関わりなど、暮らしに寄り添う目線でご紹介します。
寒さが深まる頃、産直やスーパーに並びはじめるタアサイ。
クセが少なく、火を通すと甘みが引き立つタアサイは、炒めものにも、汁ものにも、和えものにも使いやすい、冬の台所の名脇役です。
βカロテンやビタミンC、カルシウムなども含み、寒い季節の食卓に、栄養面でも強い味方。
和ごころ素材図鑑では、そんなタアサイの魅力を、旬や選び方、使い切りのヒンおすすめレシピとともにご紹介します。
タアサイとは

タアサイ(塔菜)は、アブラナ科に属する中国野菜のひとつ。中国名は「塌菜(ターツァイ)」とも呼ばれ、寒さに強いことから、冬野菜として親しまれてきました。
葉は濃い緑色で、地面に張り付くように広がる姿が特徴的。見た目はやや平たいですが、火を通すとしっとりやわらかく、やさしい甘みが感じられます。
青梗菜(チンゲン菜)よりも香りは控えめで、日本の調味料とも相性がよく、和食にも自然となじみます。
タアサイの種類
タアサイは、細かな品種名よりも、育った姿に違いがあります。
その姿は、品種差に加えて、タネをまく時期(生育初期の環境)によって大きく左右されます。
大きく分けると、次のふたつのタイプがあります。
① 地面に沿うように広がるタアサイ(ロゼット型)

葉が地面に張り付くように広がる、いわゆる冬らしいタアサイの姿です。
- 葉が厚く、しっとり
- 火を通すと甘みが出やすい
- 煮びたし・汁ものに向く
このタイプは、秋が深まってからタネをまいた場合に育ちやすく、生育初期に気温が下がることで、寒さから身を守るように葉を低く広げる生長のしかたをします。
② 縦に伸びるタアサイ(立性タイプ)

葉柄がすっと立ち上がり、見た目が青梗菜に近いタアサイです。
- 株がコンパクトで扱いやすい
- 葉はやや薄く、歯切れがよい
- 炒めものに向く
こちらは、気温がまだ高い時期にタネをまいた場合に育ちやすく、
日照も比較的長いため、葉柄が縦に伸びやすくなります。
◆ タネをまく時期と姿の関係
タアサイは、生育初期の気温と日長の影響を強く受ける野菜です。
- 秋が深まってから育つ
→ 葉が地面に広がりやすい - 残暑が残る時期に育つ
→ 縦に伸びやすい
そのため、同じタネでも、地域や年によって姿が異なることがあります。
旬と出回り時期
- 旬:12月〜2月頃
- 寒さに当たるほど甘みが増し、葉も肉厚になります
特に霜に当たったタアサイは、えぐみが少なく、煮ても炒めても食べやすいのが魅力。
冬の葉もの野菜として、ぜひ取り入れたい素材です。
主な産地と流通
- 長野県・茨城県・千葉県 など
- 近年は各地の産直市場でも見かけることが増えています
冷涼な気候を好むため、冬場の高原野菜として栽培されることもあります。
タアサイの味と食感
- 味わい:クセが少なく、ほんのり甘い
- 食感:葉はやわらかく、茎はシャキッと
油との相性がよく、炒めることでコクが出るのも特徴です。
一方で、下ゆでしておひたしにすると、青菜らしい清涼感も楽しめます。
タアサイの選び方と保存

美味しいタアサイの選び方
新鮮なタアサイは、
- 葉の色が濃く、ツヤがある
- 葉先がピンとしている
- 茎がみずみずしく、乾いていない
株元がしっかりしているものを選ぶと、調理したときの食感もよく仕上がります。
保存方法
◆冷蔵保存(おすすめ)
- 湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包む
- ポリ袋に入れて、野菜室へ
- 保存目安:3〜4日
使い切れない場合は、軽く下ゆでして水気をしぼり、冷凍保存も可能です。
タアサイのおすすめ簡単レシピ
クセが少く、下ごしらえも簡単なタアサイは、さっと火を通すだけで一品が整う、使い勝手のよい青菜です。
ここでは、毎日の副菜に取り入れやすい簡単レシピを中心にご紹介しますね。
🥬 タアサイのごま和え
さっと下ゆでして和えるだけ。
タアサイのやさしい甘みとごまのコクが、素直に楽しめる定番副菜です。
🥬 タアサイと油揚げの煮びたし
だしを含ませることで、葉の甘みがふんわり引き立ちます。
作り置きにも向く、ほっとする冬の一品。
🥬 タアサイのさっと炒め
強めの火で手早く炒めて、シャキッとした食感を残して。
シンプルだからこそ、素材の味がよくわかります。
🥬 タアサイと豚肉の炒めもの
油と合わせることでコクが増し、満足感のあるおかずに。
主菜にもなる、食べごたえのある組み合わせです。
🥬タアサイと鶏胸肉のわさび醤油炒め
タアサイと、鶏胸肉を使ったヘルシーレシピ。わさびがツンと効いた、食欲そそる一皿です。
詳しいレシピ記事はこちらへ👇
タアサイの栄養について
タアサイは、見た目以上に栄養を含んだ冬の葉物野菜です。特に注目したいのは、βカロテンやビタミンCといった、季節の変わり目にうれしい成分。
βカロテンは油と一緒にとることで吸収率が高まるため、炒める調理法は、栄養面でもおすすめです。また、タアサイは加熱しても葉が崩れにくく、栄養を含んだ水分が流れ出にくいのも特徴です。
寒い時期に育つ青菜らしく、体を内側から整えてくれる存在。さっと火を通すことで、おいしさと栄養を同時に取り入れられるのが、タアサイの魅力です。
ミニコラム|青梗菜との違いは?
おわりに|冬の青菜、もうひとつの選択肢
ほうれん草や小松菜に比べると、少しだけ馴染みの薄いタアサイですが、一度使ってみると、その扱いやすさとやさしい味わいに気づくはず。
冬の食卓に、もうひとつの青菜の選択肢として。タアサイ、ぜひ台所に迎えてみてください。
参考元
- 農林水産省|野菜の品目情報
- 各地JA・産直市場の栽培情報
- 食材事典(アブラナ科野菜)
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