~和ごころ素材図鑑~
季節の移ろいとともに、旬を迎える日本の食材たち。
そのひとつひとつには、自然の恵みと、昔から受け継がれてきた知恵が息づいています。
「和ごころ素材図鑑」では、そんな和の素材を、旬・産地・調理法・行事との関わりなど、暮らしに寄り添う目線でご紹介します。

春になると店先に並びはじめる、新じゃがいも。
いつものじゃがいもと同じようでいて、皮の薄さや水分量、食感はまったく別ものです。

新じゃがいもは、収穫してすぐ出荷されるため、みずみずしくやさしい味わいが特徴。その分、向いている料理・向かない料理もはっきりしています。

この記事では、新じゃがいもとじゃがいもの違い、選び方や下処理、相性のよい料理・そうでない料理まで、家庭の台所目線でまとめてみました。

春ならではの味わいを、無理なくおいしく楽しむヒントとして、参考にしてみてください。


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新じゃがいもの基本

新じゃがいもの旬や特徴を押さえ、料理や使い分けのヒントになる基本をまとめています。

新じゃがいもの旬は、春〜初夏(3〜6月頃)
温暖な地域から順に出回り、産地によって時期に少し幅があります。

貯蔵せず、収穫後すぐに出荷されるのが最大の特徴です。

新じゃがいもは、特別な品種名ではなく、収穫してすぐ出荷されるじゃがいもの総称です。

よく見かける品種例

  • 男爵系:ほくほく感があり、素朴な味
  • メークイン系:ややしっとり、煮崩れしにくい

※同じ品種でも、新じゃがになると水分量が多く、食感はやわらかめになります。

主な産地は、

  • 鹿児島・長崎(早出し)
  • 静岡・千葉
  • 九州各地

南から北へ、リレーのように旬が移っていくのも春野菜らしい特徴です。

コラム|じゃがいもといえば北海道?新じゃがいもは少し違います

じゃがいもと聞くと、北海道を思い浮かべる方も多いかもしれません。
実際、ふだん私たちが食べているじゃがいもの多くは、秋に収穫され、貯蔵された北海道産です。

一方、新じゃがいもは「産地」よりも、収穫してすぐ出荷されるかどうかがポイント。
そのため、春先に出回る新じゃがいもは、鹿児島や長崎など、温暖な地域が中心になります。

新じゃがいもは、南から北へと産地を移しながら旬が巡る野菜。
初夏以降には、北海道産の新じゃがいもも登場し、季節のバトンがつながっていきます。

  • ビタミンC(でんぷんに守られ、加熱に強い)
  • カリウム(余分な塩分の排出を助ける)
  • 食物繊維

皮が薄い分、皮ごと調理すると栄養を無駄なく摂りやすいのも新じゃがいもの良さです。


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じゃがいもと新じゃがいもの違い

  • 新じゃがいも
    収穫してすぐに出荷されるじゃがいもを指します。
  • 一般的なじゃがいも
    収穫後に一定期間貯蔵され、熟成を経てから出荷されるのが特徴です。

「貯蔵するか・しないか」の違いが、味や食感、使い勝手の差につながっています。

  • 新じゃがいも
    水分が多く、みずみずしくやわらかな食感。ほくほくしながらも軽さがあり、皮ごと食べやすいのが魅力です。
  • 貯蔵された通常のじゃがいも
    水分が落ち着き、粉質が増して、料理によってはしっかりした食感になります。
  • 新じゃがいも
    皮は薄く、むく必要がないことがほとんど。たわしで軽く洗うだけで調理に使えるため、手軽さも特徴のひとつです。
  • 通常のじゃがいも
    皮がやや厚く、料理によっては皮むきが必要になります。
  • 新じゃがいも
    素材の味を活かすシンプルな調理に向いています。短時間で火を通す料理や、皮ごと仕上げる料理と相性がよく、春らしい軽やかな一品になります。
  • 一般的なじゃがいも
    煮込みや成形料理など、調理の幅が広く、日常使いしやすい素材です。

項目新じゃがいも普通のじゃがいも
収穫後すぐ出荷貯蔵後に出荷
水分多いやや少なめ
薄くやわらかい厚め
向く料理シンプル調理煮込み・加工

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新じゃがいもに向く料理・向かない料理

新じゃがいもは、収穫してすぐ出荷されるため、水分が多く皮が薄いのが特徴。この性質を活かす料理がおすすめです。

新じゃがいもは、素材の風味や食感をそのまま楽しめる料理に向いています。

  • 塩ゆで・蒸し料理
  • 皮ごと素揚げ・フライドポテト
  • バター和え・粉ふきいも
  • 煮転がし(短時間で仕上げるもの)

皮がやわらかく、下処理が最小限で済むため、皮ごと調理する料理とも相性が良好です。
加熱時間は短めにし、火を通しすぎないことが、美味しさを保つポイントになります。

一方で、新じゃがいもは水分が多いため、長時間の加熱や形を保つ必要のある料理にはあまり向きません。

  • 長く煮込む煮物
  • マッシュして成形する料理
  • コロッケやポテトサラダ

火を入れすぎると、煮崩れしやすく、水っぽい仕上がりになることがあります。
こうした料理には、貯蔵されたじゃがいもを使う方が、安定した仕上がりになります。

新じゃがいもは「今だけの味を楽しむためのじゃがいも」。手をかけすぎず、シンプルな調理で季節感を味わうのがおすすめ。


新じゃがいもの選び方

新じゃがいもは鮮度が命。購入の際の参考にしてみてください。

  • 表面にハリがあり、しわが少ない
  • 皮が薄く、なめらか
  • 手に取ったとき、見た目より重みを感じる
  • 芽が出ていない、またはごく小さいもの

土付きの場合は、土が乾きすぎていないものの方が、みずみずしさが保たれているのでおすすめです。

柔らかくシワが目立つものや、芽が伸びているもの、緑色に変色しているものなどはなるべく避けること、また、購入後は早めに使い切るのもポイントです。


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新じゃがいもの下処理

皮が薄くやわらかい新じゃがいもは、下処理もとてもシンプルです。

皮をむく必要はなく、たわしやスポンジで軽くこすり洗いするだけで十分。
皮ごと調理することで、風味と栄養を無駄なく楽しめます。

新じゃがいもでも、芽や芽の根元があれば、包丁でえぐり取ります。小さな芽でも、取り除いてから調理しましょう。

新じゃがいもは皮が薄く風味もやさしいため、基本は流水で洗い流すだけで十分です。たわしやスポンジで軽くこすり、土を落としたらすぐに調理できます。

土汚れが気になる場合や、すぐに調理できないときなど、水にくぐらせるときも、30秒〜1分程度を目安にして、長時間のつけ置きは避けましょう。
水に浸しすぎると、風味や食感が損なわれやすくなります。


保存方法

新じゃがいもは水分が多く、保存性が高くありません。購入後はできるだけ早めに使い切ることを前提にしましょう。

保存する場合は、新聞紙や紙袋に包み、風通しのよい冷暗所へ。冷蔵庫での保存は基本的にはNGです。

また、光に当たると芽が出やすくなるため、直射日光を避けることも大切です。

新じゃがいもは、常温で保存する場合でも1週間程度を目安に使い切ります。
新聞紙や紙袋に包み、風通しのよい冷暗所に置くことで、乾燥や光を防ぎやすくなります。

気温が高い時期や湿度の高い環境では傷みやすいため、状態をこまめに確認し、やわらかさやしわが出てきたら早めに調理しましょう。

新じゃがいもは低温に弱く、冷蔵庫で保存すると低温障害を起こしやすくなります。
甘みが強く出ることもありますが、食感が悪くなり、調理後に水っぽく感じる原因になります。

また、冷蔵庫内の乾燥によって皮がしわつきやすく、風味も落ちやすいため、
新じゃがいもは常温で短期間保存し、早めに使い切るのが基本です。


おわりに|今だけの味を

新じゃがいもは、手をかける料理には向いていません。ですが、ちゃんと季節を感じさせてくれる野菜です。

新じゃがいもを美味しく味わうなら、茹でて粉ふきいも、素揚げ、セイロ蒸しなど、すぐに調理して食べられるシンプルな料理がおすすめ。

短い旬の間に、いろいろな食べ方で味わいたいものですね。


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参考元

  • 農林水産省|じゃがいも
  • JAグループ|じゃがいもの基礎知識
  • 北海道ぎょれん|じゃがいもと新じゃがいもの違い

※この記事は、上記資料を参考にしながら、家庭の台所で扱いやすい形に整理しています。

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