~和ごころ素材図鑑~
季節の移ろいとともに、旬を迎える日本の食材たち。
そのひとつひとつには、自然の恵みと、昔から受け継がれてきた知恵が息づいています。
「和ごころ素材図鑑」では、そんな和の素材を、旬・産地・調理法・行事との関わりなど、暮らしに寄り添う目線でご紹介します。
小松菜は、一年を通して手に入る身近な青菜ですね。
ですが、本来の旬は冬。寒さにあたることで甘みを増し、ぐっと味わい深くなります。
毎日の味噌汁、おひたし、炒めものなど、いろいろな料理に重宝して、しかも比較的リーズナブルに購入できるのも嬉しいですよね。
そんな小松菜、ぜひ上手に使いこなしたいものです。
この記事では、小松菜の旬・特徴・栄養・選び方・下処理まで、台所目線でわかりやすくまとめています。
小松菜の基本

小松菜の旬はいつ?
- 旬:12月〜3月(冬)
- 通年流通あり
冬の小松菜は葉が肉厚でやわらかく、えぐみが少なくなります。霜にあたると糖度が増し、甘みがはっきり感じられるのが特徴です。
春以降はややさっぱりとした味わいになります。
小松菜の種類
一般的に出回るのは「丸葉系」。地域や生産者によっては、やや細葉の品種もあります。
江戸時代、現在の東京都江戸川区小松川周辺で栽培されたのが始まりとされ、将軍・徳川吉宗が名付けたという説も伝わっています。
小松菜の産地
全国で広く栽培されています。特に…
- 埼玉県
- 茨城県
- 東京都
- 千葉県
など関東近郊が主産地。寒さに強く、比較的育てやすい野菜です。
栄養
小松菜は、青菜の中でも栄養価が高いことで知られます。
- カルシウム
- 鉄分
- βカロテン
- ビタミンC
特にカルシウムはほうれん草より多いといわれます。
冬はビタミンC量も高まりやすく、風邪予防の食材としても心強い存在です。
選び方

店先で束になっている小松菜。ほんの少し見るポイントを意識してみてください。
- 葉が濃い緑色でつやがある
- 茎が太くまっすぐ
- 根元がみずみずしい
黄色くなっているものは避けましょう。
小松菜は通年出回る野菜ですが、冬場は葉が肉厚で、より色も濃くなる傾向があります。
手に取ったときの「しっかり感」も、おいしさのヒントになりますね。 🌿
下処理の基本
洗い方
根元に土が残りやすいので、根を少し切り落とし、十字に切り込みを入れてから流水で洗います。
基本の茹で方
湯量が少ないと温度が下がりやすいので、たっぷりのお湯をしっかり沸騰させる。
葉の方を持ち、茎の部分を沈めて約30秒ゆでる。
葉まで沈め、さらに約30秒ほど茹でる。途中で上下を返すとムラが出にくい。
ゆで上がったらすぐに冷水にとり、余熱を止める。水気はしっかりしぼる。
下茹でせずに使う場合
炒め物・汁物に使うとき
炒め物や味噌汁に使う場合は、下茹では不要です。
小松菜は火が通りやすいため、3〜4cmほどの食べやすい長さに切り、そのまま加えて調理できます。
味噌汁では、火を止める直前に入れると、色や食感がきれいに仕上がります。
小松菜に向く料理/向いていない料理
向く料理
小松菜はくせが少なく、火の通りも早い青菜です。「さっと火を入れる」「だしや調味料を含ませる」料理と相性が良いです。
- 味噌汁
さっと煮るだけで食べやすくなります。煮すぎると色がくすみやすいので、仕上げに加えると香りと色がきれいに残ります。 - おひたし
下茹でして水に取り、しぼってから浸すだけなので、扱いやすい一品です。冬の小松菜は甘みが出るので、だしの味がやさしくなじみます。 - 胡麻和え
小松菜の青みは胡麻の香りとよく合います。えぐみが気になるときは、茹でたあとに水気をしっかり切ると、味がぼやけにくいです。 - 炒め物
短時間で火が通るので、忙しい日にも便利です。茎→葉の順に炒めると、食感の差が整います。 - 煮びたし
だしを含ませる料理と相性が良いです。ポイントは煮込むのではなく、さっと火を入れて、だしに浸して含ませること。色も味もきれいに仕上がります。
向いていない料理
小松菜は青菜の中では繊維がしっかりめで、加熱のしすぎにも弱い面があります。「生の食感が前に出る料理」「長時間加熱する料理」は少し工夫が必要です。
- 生食サラダ
葉や茎の繊維感が出やすく、食べ慣れていないと青みも強く感じることがあります。サラダにするなら、さっと湯通しして冷ましてから和えると食べやすくなります。 - 長時間煮込み
色がくすみ、風味も抜けやすくなります。煮込み料理に入れる場合は、最後に加えて軽く火を通すのがおすすめです。
小松菜を楽しむレシピ
やわらかな青みと、くせの少ない味わい。小松菜は、だしを含ませても、和え物にしてもよくなじみます。
小松菜と油揚げの含め煮
だしをたっぷり含ませた、やさしい煮びたし風の一品です。
冬の小松菜なら、甘みもいっそう引き立ちます。
小松菜の胡麻味噌ナムル
胡麻の香ばしさと味噌のコクを合わせた、少し変化のある副菜です。さっとゆでた小松菜を和えるだけで、いつもと違う味わいに。
あと一品ほしい日に頼れる一皿です。
保存方法
冷蔵保存
小松菜は乾燥に弱い野菜です。湿らせたキッチンペーパーで根元を包み、ポリ袋に入れて立てて保存すると鮮度が保ちやすくなります。
立てて保存するのは、畑で育っているときと同じ姿勢に近づけるためです。葉が傷みにくくなります。
保存の目安は2〜3日以内。時間がたつと葉先から黄色くなりやすいので、早めに使い切るのがおすすめです。
冷凍保存
すぐに使い切れない場合は冷凍も可能です。
- さっと固めに茹でる
- 水にとって冷まし、水気をしっかりしぼる
- 食べやすい長さに切る
- 小分けにして保存袋へ入れる
空気をできるだけ抜いて冷凍すると、風味が落ちにくくなります。
保存の目安は約1か月。解凍せず、そのまま味噌汁や炒め物に加えると便利ですよ。
おわりに|日々を支える青菜

派手さはないけれど、毎日の味噌汁に、さっと添える副菜に。我が家では茹でて刻んで冷凍した小松菜が、とても便利な常備菜です。
冬は甘みを味わい、春はやわらかさを。季節ごとの違いを楽しみながら、気軽に食卓へ取り入れてみてくださいね。
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