秋の訪れを感じる頃、ほくほくの栗で作る「栗きんとん」が最高ですね♪

中津川風の栗きんとんは、あんを茶巾に絞っただけのシンプルな和菓子。栗と砂糖だけで作る自然の甘みが魅力です。

おうちでも手軽に作れるよう、下ごしらえから丁寧にご紹介します。


レシピ|栗きんとん(中津川風)

  • 栗(生栗) … 約500g(正味300g)
  • 砂糖 … 100~120g(好みの甘さで調整)※今回はグラニュー糖を使用。上白糖、きび砂糖などでも◎
  • 塩 … ひとつまみ

ミニコラム|砂糖によって変わる「甘み」と「口あたり」

栗きんとんに使う砂糖は、実は仕上がりを左右する大切な要素です。
今回使用したグラニュー糖は、粒子が細かく溶けやすく、すっきりと上品な甘さが特徴。
栗そのものの香りや自然な甘みを引き立ててくれます。

一方で、上白糖を使うとまろやかでコクのある甘さに。どこか懐かしい、やさしい味わいになります。
また、三温糖やきび砂糖を使うと、ほんのりとしたカラメルのような香ばしさが加わり、より深みのある味に仕上がります。

砂糖の種類甘みの特徴仕上がりの印象
グラニュー糖すっきり・上品栗の風味が際立つ上質な味わい
上白糖まろやかでコクがある家庭的でやさしい甘さ
三温糖・きび砂糖香ばしく深みのある甘さ素朴で味わい深い仕上がり

お好みで変えてみてください。

ちなみに中津川の老舗和菓子店では、素材の栗を生かすためにグラニュー糖を使うことが多いようです。

STEP1
栗を蒸してくり抜く。

栗は洗って、鬼皮のまま蒸し器で40~50分蒸す。(茹でる場合は、沸騰後弱火で5分茹で、蓋をして30分置く)

STEP2
くり抜いて裏ごしする

蒸しあがった栗は、熱いうちに半分に切ってスプーンなどでくり抜き、裏ごし器でこす。(すり鉢ですっても◎)

STEP3
鍋で練る

鍋に栗と砂糖、塩ひとつまみを入れ、弱火で木べらで練る。
水分が少ない場合は、水を少しを加えて調整し(小さじ1~2程度)、
焦げないように注意しながら、もったりするまで練り上げる。

STEP4
茶巾に絞る

なるべく熱いうちに30g程度に丸め、ラップにくるんで形を整える。乾燥しないようにそのまま冷まして食べるときにラップを外す。

美味しく作るコツ

  • 栗は新鮮なものを使用
    収穫から日が浅いほど風味がよく、甘みが際立ちます。
  • 裏ごしは頑張った分だけ滑らかに♪
    少し手間ではありますが、裏ごしすることで滑らかな口どけに。
  • 水分量の調整
    栗の水分によって仕上がりが変わるため、焦げないよう少しずつ湯を加えるのがコツ。最初はぽろぽろしていても、加熱して練っていくうちにモッタリとしてくるので、くれぐれも水を入れすぎないように注意。

保存と楽しみ方

  • 保存方法
    冷蔵で2〜3日。乾燥を防ぐため、ラップで個包装に。
  • 冷凍保存
    1つずつラップ→密閉容器で冷凍し1か月、自然解凍で。
  • お茶うけに
    煎茶やほうじ茶はもちろん、抹茶にもよく合います。おもてなしのお茶請けにオススメ!

豆知識コラム|中津川の栗きんとんとは?

岐阜県中津川市は、全国でも有名な栗の産地。
秋には和菓子店が軒を連ね、「栗きんとんめぐり」が観光名物になっています。
砂糖と栗のみで作る「中津川風」は、正月料理の黄色い栗きんとんとは異なり、菓子としての栗きんとん
自然の甘さとほろりとほどける食感が魅力です。


おわりに|秋の恵みをそのままに

手をかけた分だけ、栗の香りがやさしく広がる栗きんとん。
小さくても、季節の幸せを包み込んだような味わいです。
秋の贈り物やお茶時間に、ぜひ手作りしてみてください。


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