夏野菜としてすっかりおなじみになった「オクラ」。
星のような切り口と、つるんとした食感、そして独特のねばりがなんとも楽しい野菜ですよね。
最近では、定番の緑オクラはもちろん、やわらかい口あたりの白オクラや、鮮やかな彩りの赤オクラなど、少しめずらしい品種も見かけるようになりました。色や風味の違いを楽しんでみるのもいいですね♪
この記事では、オクラの種類や旬、栄養のことから、下ごしらえの工夫、簡単な定番料理やアレンジレシピ、保存のコツまでをご紹介します。
夏の食卓づくりに、ぜひ役立ててみてください。
オクラとは?

オクラはアオイ科の野菜で、原産はアフリカ。
日本に伝わったのは江戸末期から明治のころで、本格的に普及したのは戦後といわれています。
独特の「ねばり」が特徴で、和食・洋食・エスニックと幅広い料理に活躍する夏野菜です。
別名「陸蓮根(おかれんこん)」とも呼ばれ、輪切りにすると蓮根のようなかわいらしい星形になるのも魅力です。
品種ごとの特徴(緑・白・赤)

緑オクラ
もっとも一般的で、スーパーに並ぶ定番品種。鮮やかな緑色と、ほどよい粘りが魅力です。加熱しても色が比較的残るため、天ぷらや炒め物、煮びたしなど幅広い料理に使いやすい万能型。
白オクラ
白っぽい淡緑色をしたオクラで、筋がやわらかく食べやすいのが特徴。
粘りもマイルドで、生のまま薄切りにしてサラダや浅漬けにすると上品な印象に仕上がります。断面の色が優しいので、料理の彩りにもおすすめ。
赤オクラ
赤紫〜えんじ色のオクラ。アントシアニン系の色素を含むため加熱すると緑色に変わってしまいます。鮮やかな色を活かすなら生食がおすすめ。サラダや酢漬けにして鮮やかさを楽しんでください。
丸オクラ
断面が丸く、一般的な五角形のオクラに比べて筋がやわらかく粘りが強いのが特徴。生食でも食べやすく、刻んで丼や冷や汁に入れるとトロリとした口当たりが楽しめます。
ミニオクラ
3〜5cmほどの小ぶりサイズで、やわらかく繊細な食感が魅力。丸ごと素揚げや天ぷらにしても食べやすく、彩りとしてお弁当や付け合わせにも重宝します。
品種別オクラの特徴表
品種 | 色合い | 特徴 | おすすめ調理法 |
---|---|---|---|
緑(角) オクラ | 鮮やかな緑色 | 粘りがしっかりあり、加熱しても色が残りやすい | 天ぷら、炒め物、煮びたし、味噌汁など万能 |
白オクラ | 淡いクリーム色 | 筋がやわらかく、粘りはマイルド。生食に向く | 浅漬け、サラダ、和え物、生のまま刻んで丼に |
赤オクラ | 赤紫〜えんじ色(加熱で緑に変色) | アントシアニンを含み、色を活かすなら生食向き | 酢漬け、マリネ、サラダ、彩りに添える |
丸オクラ | 緑色(断面が丸い) | 筋がやわらかく、粘りが強い。生でも食べやすい | 刻んで丼や冷や汁に、生食、和え物 |
ミニ オクラ | 緑色(3〜5cmほど) | 小ぶりで柔らかく繊細。育ちすぎたものより扱いやすい | 丸ごと天ぷら、素揚げ、お弁当や付け合わせ |
旬と産地

オクラのおいしい季節は、夏の6月~9月ごろ。暑さに強い野菜なので、真夏でもぐんぐん育ちます。まさに「夏野菜の代表」といえる存在です。
主な産地は 鹿児島・沖縄・高知・熊本 などの温暖な地域。これらの土地では、気温が高く日照時間も長いため、オクラ栽培にぴったりの環境が整っています。
一方で、長野など本州内陸部でも夏から初秋にかけて出荷があり、直売所や道の駅では、朝採れの新鮮なオクラに出会えることも。
栄養と効能
オクラの魅力は、なんといっても健康効果のある「ねばり」にあります。
- ムチン:胃腸の粘膜を保護し、たんぱく質の消化を助ける。
- βカロテン:強い抗酸化作用を持ち、体をさびから守る。
- ビタミンC:免疫力をサポート。
- 食物繊維:腸内環境を整える。
夏場は食欲が落ちがちですが、オクラの粘りは胃腸をいたわり、暑さに負けない体づくりを助けてくれます。まさに 「夏バテ防止の味方」 として昔から親しまれてきた野菜です。
ちなみに…
オクラの粘りは細かく刻むほど強くなります。刻んで納豆や山芋と組み合わせるなど、ねばねばパワーを実感できますね♪
下ごしらえと調理のコツ
オクラはちょっとした下ごしらえで、ぐんと美味しく、見た目もきれいに仕上がります。ここでは基本の処理から、色や粘りを活かすポイントまで詳しくご紹介しますね。
ヘタとガクを整える
オクラのガク(実とヘタの境目にある固い部分)は、そのまま残すと口当たりが硬く感じられます。
包丁でぐるりと薄くそぎ落とすと、食べやすく上品な仕上がりに。和食店ではこのひと手間を欠かせません。
塩で産毛を落とす
オクラの表面には細かい産毛があり、そのままだと舌触りがざらつくこともあります。
調理のまえの下準備として、手の指を使って塩でこすり落とすか、まな板の上で手のひらで転がす「板ずり」をすることで産毛が取れます。色も鮮やかになり、ゆでたときの緑も一層きれいに発色します。
茹ですぎない
オクラは火が通りやすいため、ゆで時間は1分程度が目安。長くゆですぎると色が悪くなり、食感も損なわれるので注意。
冷水に落として色止めをする
茹でたオクラは、冷水(氷水)にさらすことで、余熱による色の変化を止めることができます。これによって緑色を美しく保つことができます。
定番料理と簡単アレンジ
定番料理
オクラの持ち味をシンプルに楽しめるのが定番料理です。まずはここから試して、粘りや色合いを楽しんでみてください。
■おひたし
鰹節としょうゆでシンプルに。

■味噌汁
■天ぷら
星形の断面が華やかに♪
簡単アレンジ
オクラのねばりや彩りを活かせば、定番の枠を超えて食卓がもっと楽しくなります。ご飯やおつまみ、サラダなどに応用してみてください。
■ネバネバ丼
納豆・山芋・マグロと合わせてご飯に。
■白オクラの浅漬け
ほんのり塩味で生の食感を楽しむ。
■赤オクラのマリネ
レモン汁や酢で色を活かした一皿に。
保存方法
オクラは鮮度が落ちやすい野菜です。保存方法を工夫すれば、シャキッとした食感と粘りを長く楽しめますよ。
冷蔵保存(おすすめ・日持ち5〜7日)
- 乾燥しやすいため、1本ずつキッチンペーパーで包み、ラップにまとめて包むのがおすすめ。
- 野菜室で立てて保存するのと痛みにくいです。
冷凍保存(おすすめ・日持ち1か月程度)
- 板ずりして産毛を取ってから冷凍すると、解凍後も食感が〇。
- 丸ごとラップで包んでも良いですが、使いやすい大きさにカットしてバラ冷凍すると便利。凍ったまま炒め物などに。
- ゆでてから冷凍する場合は、サッと30秒ほど湯通ししてから冷水に取り、水気を拭き取ってラップ → 保存袋へ。刻んで冷凍すれば、そのまま味噌汁や和え物に使えます。
常温保存(おすすめしない)
夏場はすぐにしおれてしまうため基本的にNG。
涼しい場所で半日程度なら問題ないですが、できるだけ早めに冷蔵に入れましょう。
おわりに|夏の食卓に星を添えて
オクラは、見た目のかわいらしさと、体をいたわるやさしい力をあわせ持っている野菜ですね。
季節を感じながら、オクラのねばねばパワーと涼やかさを楽しんでください♪
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