秋風が吹くころ、ほのかに甘い香りを漂わせる「さつまいも」。
焼き芋やふかし芋、煮物やお味噌汁にも——どんな料理にも寄り添う、やさしい甘さが魅力です。
子どものころの「おやつの味」として、または大人になってからの「ほっとするご飯」として、世代を超えて愛されてきた秋の定番野菜。
今回は、そんなさつまいもの旬・種類・おいしい食べ方を、和食の目線でひもといていきます。


さつまいもってどんな野菜?

さつまいも(学名:Ipomoea batatas)は、ヒルガオ科に属する根菜。
原産は中南米とされ、17世紀に琉球(現在の沖縄)を経て日本に伝わりました。
その後、薩摩(鹿児島)で広く栽培され、「薩摩芋」と呼ばれるようになったといわれています。
江戸時代には飢饉を救った作物として全国に広まり、人々の食卓を支えてきました。


さつまいもの旬

さつまいもの収穫期は9〜11月ごろ
収穫後すぐよりも、貯蔵して熟成させることで甘みが増します。
冬にかけて糖度が上がるため、10月〜12月は“旬のピーク”といえるでしょう。


主な産地

全国的に栽培されていますが、特に鹿児島県・茨城県・千葉県・宮崎県・熊本県が代表的な産地です。
地域ごとに特徴的な品種が育ち、焼き芋や干し芋、スイーツなど多彩に楽しまれています。

順位都道府県収穫量全国シェア
1鹿児島県215,400トン約30%
2茨城県200,200トン約28%
3千葉県91,300トン約13%
4宮崎県68,900トン約10%

参考: 農林水産省「作物統計(令和5年産かんしょの収穫量)」

この上位4県で、全国収穫量のおよそ 約 81 % を占めていることになります。

日本各地の風土が育てたさつまいもには、それぞれの個性と物語があります。
焼き芋やスイーツ、干し芋など、用途に合わせて品種改良も進み、
“地名そのものがブランド”として親しまれている地域も少なくありません。

さつまいも王国ともいえる鹿児島では、食用から焼酎用まで幅広く栽培されています。
「安納芋(あんのういも)」は種子島原産のねっとり系。低温でじっくり焼くと蜜があふれるほど甘く、“焼き芋の女王”と呼ばれるほどの人気です。

一方で、焼酎の原料に使われる「黄金千貫(こがねせんがん)」は、淡白で香りがよく、加工・蒸留用に最適な品種として知られています。

徳島県|鳴門金時

道の駅くるくるなると

徳島の砂地で育つ鳴門金時(なるときんとき)は、ほくほくとした上品な甘さが特徴。
煮崩れしにくく、天ぷらや煮物に向きます。
鳴門の海風と砂地のミネラルを吸って育つため、他産地とは一味違う繊細な風味が楽しめます。
地元では「里むすめ」など、鳴門金時系統の地域ブランドも展開されています。

茨城県|紅はるか・シルクスイート

全国トップクラスの出荷量を誇る茨城県。特に紅はるかは「紅あずま」よりもしっとり甘く焼き芋や干し芋用に大人気の品種です。
また、シルクスイートはその名の通り“絹のような舌ざわり”で、スイーツにもぴったり。
天日干しで仕上げる干し芋は、茨城の冬の風物詩でもあります。

千葉県|紅あずま

関東地方を代表するさつまいもといえば紅あずま
やや粉質でほくほくとした食感が特徴で、家庭の味として親しまれてきました。
焼き芋や大学芋など、懐かしい味わいを求めるならこの品種が定番です。

宮崎県|宮崎紅

南国の太陽を浴びて育つ「宮崎紅(みやざきべに)」は、しっとりと上品な甘さ
鮮やかな紅色とやわらかな口当たりで、スイーツや加工用としても注目されています。
県を挙げてブランド化が進み、「宮崎ブランドポーク」などと並ぶ地元特産のひとつになっています。

昼夜の寒暖差が大きい熊本では、甘みの凝縮した芋が育ちます。
しっとり系のシルクスイートや紅はるかが中心で、
焼き芋専門店やスイーツ店でも高い評価を受けています。

長島町(鹿児島県)|長島紅美人

近年、注目を集める新ブランド。
「長島紅美人(ながしまべにびじん)」は、高糖度かつ濃い紅色が特徴で、
焼き芋にするとしっとり・ねっとりとした上品な甘みが広がります。
「紅はるか」の系統でありながら、より糖度が高く、関西圏を中心に人気上昇中です。


地域主な品種・ブランド名特徴・風味
鹿児島県安納芋(種子島)/紅さつま/黄金千貫日本を代表するブランド芋。安納芋はねっとり甘く、焼き芋の王様。焼酎原料の「黄金千貫」も有名。
徳島県鳴門金時上品な甘さとほくほく感。鳴門の砂地で育ち、焼き芋や天ぷらに最適。
茨城県紅はるか/シルクスイート/干し芋専用品種干し芋の名産地。紅はるかのしっとり甘さが人気で、全国出荷量トップクラス。
千葉県紅あずま/紅こがね昔ながらのほくほく系。関東で最も親しまれる家庭の味。
宮崎県宮崎紅/ベニサツマしっとり上品な甘さ。加工用としても優秀で、スイーツにも多用される。
熊本県紅はるか/シルクスイート平地と山地の寒暖差を活かした甘みの強い芋。焼き芋・スイーツ両方に人気。
鹿児島県(長島町)長島紅美人高糖度で鮮やかな紅色。近年注目されている新ブランド。
種子島・屋久島地域安納こがね/安納紅糖度40度近くにもなる極甘芋。低温でじっくり焼くと蜜があふれる。

🔸コラム|“地名がブランドになる”理由

「鳴門金時」「安納芋」「宮崎紅」などは、
単なる品種名ではなく、その土地の気候・土壌・栽培方法が味を決めるブランド。
たとえば安納芋は種子島の火山灰土壌が、鳴門金時は砂地のミネラルが、
それぞれの個性をつくっています。
まさに、“土地が調味料”といえる味わいです。


形・種類・味わいのちがい

ひと口に「さつまいも」といっても、品種によって味や食感はさまざま。店頭に数種類並んでいる場合、どれを買ったらいいのか迷うことありませんか?

以下のように、食感タイプ別で覚えると選びやすいです。

タイプ主な品種特徴
ほくほく系紅あずま、鳴門金時しっとりよりも粉質、焼き芋や天ぷらに◎
しっとり系紅はるか、シルクスイート水分が多くなめらか。甘みが強くスイーツにも
ねっとり系安納芋、紅まさり蜜のように濃厚。焼き芋にすると極上の甘さ
特徴色系紫いも、オレンジ芋アントシアニンやβカロテンが豊富。彩りに最適

それぞれの風味を生かすことで、料理の印象もぐっと変わります。


栄養と機能性

さつまいもは、エネルギー源としての糖質に加え、食物繊維・ビタミンC・カリウムが豊富。
しかも、ビタミンCはでんぷんに守られているため、加熱しても壊れにくいのが特徴です。

また、切ったときに出る白い液体「ヤラピン」には、腸の働きを整える作用があり、
便通を促しながら胃をやさしく守ってくれます。

さらに、紫いもに含まれるアントシアニンは抗酸化作用が高く、美肌・老化防止にも注目されています。

🟤豆知識コラム|白い液体の正体は「ヤラピン」

さつまいもを切ったときににじむ白い液体は、「ヤラピン」と呼ばれる成分です。
腸のぜん動を助け、食物繊維とともにおなかを整える働きがあります。
加熱しても壊れにくく、皮の近くに多く含まれるため、できれば皮ごと調理するのがおすすめ。
焼き芋や煮物でも自然に摂ることができます。

💬ちなみに──
干し芋の表面に出る白い粉は、このヤラピンではありません。
あれは、乾燥の過程で糖分(ブドウ糖や麦芽糖)が表面に結晶化したもので、甘みの成分そのものです。

◆ヤラピン=整腸に関わる機能性成分、
◆白い粉=おいしさの証(糖の結晶)
と覚えておくとわかりやすいでしょう♪


おいしいものの見分け方と保存のコツ

  • 皮にツヤと張りがあり、傷やしわのないもの
  • ずっしり重みがあるもの
  • 両端がしなびていないもの

冷蔵庫のような低温環境はNG。
10〜15℃程度の常温で、新聞紙に包んで冷暗所に保存します。
湿気が多いと傷みやすいので、風通しのよい場所が◎。
長期保存なら、土付きのままが理想的です。

💡切ったあとは・・・
ラップで密閉し、冷蔵庫の野菜室で1〜2日以内に使用を。
変色防止には、切ってすぐ水にさらすか、レモン汁を加えた水に浸しておくと安心です。

🟤豆知識コラム|冷やさず、呼吸させる保存法

さつまいもは寒さに弱く、冷蔵庫では低温障害を起こします。
新聞紙に包んで10〜15℃前後の暗所に置くのが理想。
ふかし芋や焼き芋は冷凍保存も可能で、自然解凍でも甘みが戻ります。


調理のポイントと下ごしらえ

さつまいもの魅力は、なんといっても“加熱で変わる甘みと食感”。
同じ芋でも、焼く・蒸す・煮るなど調理法によって風味がまったく違います。
ここでは、和食の台所で生かせる加熱のコツと、下ごしらえの基本をまとめました。

さつまいもの自然な甘みは、でんぷんが酵素の働きによって麦芽糖(マルトース)へ変化することで生まれます。
この反応が起こりやすいのは60〜70℃前後
そのため、最初から高温で焼くよりも、低温でじっくり火を通すことがポイントです。

  • オーブンの場合:160〜180℃で約60分焼く
  • 蒸し器の場合:中火で40〜50分ほど蒸す(ふかし芋にも最適)
  • トースター・フライパンの場合:アルミホイルで包み、弱火でじっくり転がしながら30〜40分

💬ひとことメモ
甘みを最大限に引き出すなら、焼く前に常温で少し寝かせておくのもおすすめ。
収穫後1〜2週間経ったさつまいもは、でんぷんが自然に糖化し、より甘みが深まります。

焼き芋は、温度によって味わいが大きく変わります。オーブンなどで焼きいもを作る際には以下の温度を参考にしてみてください。

  • 160℃前後:甘みがじっくり引き出され、ねっとり系に
  • 180〜200℃:表面が香ばしく、中はほくほく系に

途中でアルミホイルを外し、仕上げに高温で5分ほど焼くと、皮がパリッと香ばしくなります。焼き上がりの香りまでごちそうです♪

煮物にする場合、下ゆでは不要。
さつまいものやさしい甘みを生かすには、だしと調味料でじっくり煮含めるのが和食の基本です。
表面を崩さないように、落とし蓋をして中火〜弱火で10〜15分ほど。
皮付きなら香ばしさが、皮をむけば素朴な甘みが際立ちます。

💬ひとことメモ
下ゆでしてしまうと、芋の糖分や風味が逃げてしまいます。少し時間はかかりますが、だしの中で煮含めると、芯まで味が染みて上品な甘さになります。

ほんのひと手間をかけるだけで、煮崩れにくく、色よく仕上がります。
ここでは、調理前に覚えておきたい下ごしらえの基本を紹介します。

① 切る前に洗う

土のついたままのさつまいもは、皮を傷つけないようにやさしく洗うのがポイント。
ゴシゴシこすると皮のポリフェノール層が削れてしまうため、
たわしやスポンジの柔らかい面を使って、流水で泥を落とします。

💬ワンポイント
洗うのは「切る前」に。切ってから洗うと水を吸いやすくなり、煮崩れの原因になることもあります。

② 切ったらすぐ水にさらす

切った断面を放置すると、すぐにポリフェノールの酸化で黒ずんでしまいます。
切ったらすぐにたっぷりの水にさらし、5〜10分おくことで、アクや余分なでんぷんを除去。
これで仕上がりの色が明るく、煮物もすっきりとした味わいになります。

💧さらし時間の目安

  • 煮物や汁物:5〜10分(アクを軽く抜く程度)
  • 揚げ物や甘露煮:10〜15分(表面のでんぷんをしっかり除く)

💬豆知識
水に少量のレモン汁を加えると、酸化防止効果がさらに高まり、色よく仕上がります。

③ 皮の扱い

皮にはポリフェノール(アントシアニン・クロロゲン酸)や食物繊維が豊富に含まれています。
特にポリフェノールは抗酸化作用があり、見た目の美しさだけでなく、健康にも一役。そのため、できれば皮ごと調理するのが理想です。

煮物や味噌汁で皮を残すと彩りが加わり、焼き芋や天ぷらでは香ばしさも楽しめます。
ただし皮のキワには土が入り込みやすいため、洗う際は丁寧にこすりましょう。

👩‍🍳使い分けのコツ

  • 皮ごと:焼き芋・天ぷら・炊き込みご飯・大学芋
  • 皮をむく:白煮・茶巾・味噌汁など、繊細な味を生かす料理に

④ 火の通りを考えて切る

さつまいもは中心部まで火が通りにくいため、料理に合わせて切り方と厚みを変えることが大切です。

料理形・厚みの目安仕上がりの特徴
煮物・味噌汁1〜1.5cmの輪切り/乱切り火が通りやすく、味を含みやすい
焼き芋・オーブン焼き丸ごと or 厚めの輪切り甘みを引き出すのに最適
天ぷら・素揚げ5〜8mmの薄切り外カリ中ほくほくのバランス
炊き込みご飯1~1.5㎝角米となじみやすく、煮崩れにくい

💬ひとことアドバイス
加熱時間が長いほど甘みは増しますが、煮崩れも起こりやすくなります。
用途に応じて「厚み」と「火加減」のバランスを意識してみましょう。

⑤ 下ごしらえ後の扱い

水にさらしたあとは、キッチンペーパーなどで軽く水気をふいておきます。濡れたまま加熱すると油はねや煮崩れの原因になります。
また、切った状態で保存する場合は、水を張った容器に入れて冷蔵庫で1日以内に使うようにしましょう。

下ごしらえは、味を決める最初の大事な工程。
洗う・さらす・切る、この3つを丁寧に行うだけで、
さつまいも本来の甘みと美しい色が引き立ちます。

コラム|「追熟」で変わる甘み

収穫したてのさつまいもは、意外にも甘みが少なめ。
掘りたてをすぐに食べるよりも、1〜2週間寝かせて追熟させることで、でんぷんが糖に変化し、まろやかでコクのある甘さに育ちます。
この自然の“熟成”が、秋のさつまいもをいっそうおいしくしてくれるのです。


定番&おすすめ和食レシピ

さつまいもは、焼いても煮ても、どんな調理法でもおいしさが引き立つ万能食材。
ここでは、秋の台所で定番となる和食レシピをいくつかご紹介します。
どれも手軽に作れて、芋そのものの甘みをしっかり感じられる一品です。

じっくり焼くことで甘みが凝縮し、蜜のような香りが漂います。
シンプルながら、さつまいもの美味しさを最も感じられる一品。

基本の作り方

  1. さつまいもをよく洗い、水気をふく。
  2. アルミホイルで包み、160〜180℃のオーブンで約60分焼く。

低温でじっくり焼くほど甘みが増します。香ばしさを出したい場合は、仕上げ5分だけ高温で焼くのがおすすめです。

さつまいもの自然な甘みが、味噌の塩気とよく合います。
寒い季節にぴったりの、ほっとする一椀。

作り方(2人分)

  1. さつまいも(小1本)は輪切りにして水にさらす。
  2. 鍋にだしを入れ、さつまいもを加えて柔らかくなるまで煮る。
  3. 味噌を溶き入れ、仕上げにねぎや油揚げを添える。

甘みを引き立てるなら、白味噌や合わせ味噌がおすすめ。ごぼうや豆腐を加えて具だくさんにしても美味です。

やわらかく煮含めることで、だしのうま味と自然な甘さが調和します。
和食の副菜として、箸休めにもぴったりです。

作り方(2〜3人分)

  1. さつまいも(中1本)は1.5cm厚の輪切りにして水にさらす。
  2. 鍋にだし200ml・しょうゆ大さじ1・みりん大さじ1・砂糖小さじ1を入れる。
  3. 落とし蓋をして中火〜弱火で10〜15分、汁気が少なくなるまで煮含める。

下ゆでは不要。だしとともにじっくり火を通すことで、芋本来の甘みが生きます。

砂糖とみりんでゆっくり煮含める、和の甘味の定番。
さつまいもの素朴な甘さに、やさしい照りと香りを添えた一皿です。
お茶うけやお弁当の箸休めにもぴったり。

作り方(2〜3人分)

  1. さつまいも(中1本)は1.5cm厚の輪切りにし、水にさらしてアクを抜く(約10分)。
  2. 鍋にさつまいも・砂糖大さじ3・水150ml・みりん大さじ1を入れ、落とし蓋をして中火にかける。
  3. 沸いたら弱火にし、10〜15分ほど煮含める。
  4. 汁気が少なくなったら火を止め、しばらくそのまま冷まして味を含ませる。

蜜煮の「蜜」は砂糖を煮溶かしたシロップのこと。
煮汁を焦がさず、やさしく煮含めることで透明感のあるつやが生まれます。

黄金色に揚がったさつまいもは、天ぷらの定番。
塩をひとつまみ添えるだけで、芋の甘みが引き立ちます。

作り方(2人分)

  1. さつまいも(中1本)は5〜8mm厚の輪切りにし、水にさらして水気をふく。
  2. 薄めの衣(冷水+小麦粉)をつけ、170℃の油で2〜3分揚げる。
  3. 竹串がすっと通る程度になったら取り出し、油をよく切る。

厚すぎると中まで火が通りにくいので、薄切りが◎。
衣を軽くつけてカリッと仕上げるのが美味しさの秘訣です。

ほんのり甘いさつまいもがご飯にとけこむ、秋の素朴なごちそう。
塩を少し加えることで、甘みが引き立ちます。

作り方(3合分)

  1. 米3合を研いで30分浸水させる。
  2. さつまいも(中1本)は1cm角に切り、水にさらす。
  3. 炊飯器に米・水540ml・塩小さじ1/2を入れ、さつまいもをのせて普通に炊く。
  4. 炊き上がったらさっくり混ぜ、黒ごまをふる。

もち米を少し混ぜると、もっちりとした食感に。
だしで炊けば、より和の風味が深まります。


アレンジ・活用アイデア

さつまいもは、主菜にも副菜にも、おやつにもなる万能素材。
やさしい甘みを活かせば、ほっとする味わいの家庭料理から、和のスイーツまで幅広く楽しめます。
ここでは、季節の献立に取り入れやすいアレンジをいくつかご紹介します。

蒸したさつまいもを粗くつぶし、マヨネーズ・白ごま・塩少々で和えるだけ。
りんごやレーズンを加えれば、自然な甘酸っぱさが加わって大人の味に。

ゆで卵やきゅうりを混ぜてポテトサラダ風にするのもおすすめ。
紅はるかなどのしっとり系を使うと、口あたりがなめらかになります。

味噌汁やけんちん汁にさつまいもを加えると、まろやかな甘みが広がります。
豚肉や根菜と合わせれば、寒い季節のごちそう汁に。

だしをしっかりきかせて、塩気をやや控えめに。
芋の甘みとだしのうま味が調和して、深みのある味に仕上がります。

ふかしたさつまいもを裏ごしして、砂糖・少量のバターを混ぜれば「茶巾しぼり」に。みりんを少し加えると、上品な和の甘さに仕上がります。

また、密煮のアレンジとして、レモン煮、シナモン煮などもおすすめです。

薄切りにして天ぷらやかき揚げにすれば、カリッと香ばしいおかずに。
また、鶏肉やきのこと一緒に甘辛く炒めると、ほくほく感が引き立ちます。

💬おすすめの組み合わせ
鶏の照り焼き・豚の味噌炒め・秋鮭の塩焼きなど、
旨味のある主菜と合わせると、甘みがより引き立ちます。


🟤豆知識コラム|花や茎にも魅力がある「さつまいも」

さつまいもの花はヒルガオに似た淡い紫色。
温暖な地域では秋に咲くこともあります。
若い茎や葉(芋づる)も食用になり、炒め物や煮物にすると、
ぬめりとほろ苦さが楽しめる“もうひとつの旬の味”です。


おわりに|秋の台所に、ほっこり甘い一皿を

さつまいもは、季節の移ろいを感じさせてくれる“秋の味そのもの”。
焼いても、煮ても、混ぜても、どんな料理にもやさしく寄り添います。
この秋は、ほくほく甘いさつまいもで、心も温まる一品を楽しんでみてください。

参考:
農林水産省「作物統計(令和5年産かんしょの収穫量)」/
農研機構(NARO)「さつまいもの成分と健康機能」/
Sweetpotato.university「令和5年産かんしょの作付面積および収穫量」


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