~さしすせそ歳時記|季節の食材と和の調味料で楽しむ、四季の台所~
日本の台所には、昔から受け継がれてきた「さしすせそ」の知恵があります。
砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)・醤油(せ)・味噌(そ)。
それぞれの調味料は、旬の食材を引き立て、季節の食卓を豊かに彩ってくれます。
このシリーズでは、旬の恵みと和の調味料を組み合わせた、季節感あふれるレシピをご紹介します。
チンゲン菜と豚肉の旨煮は、ぱっと作れて食卓がちょっと華やぐ、頼れるおかずです。
豚肉の旨みをまとった甘辛いあんに、チンゲン菜のシャキッとした歯ざわりがよく合い、気づけばお皿が空になってしまうような一品。
忙しい日でも作りやすく、野菜もたっぷりとれるので、普段のおかずにも休日のお昼ごはんにもぴったりです。
旨煮ってどんな料理?
「旨煮(うまに)」とは、しょうゆ・酒・みりん・砂糖をベースに、素材をやわらかく煮含める和食の煮物のことです。
いわゆる“甘辛い煮もの”の仲間で、調味料のコクと素材の旨みが合わさり、どこかほっとする味わいに仕上がるのが特徴です。
旨煮は火の通りが早い素材とも相性がよく、長く煮込まず、短時間で味をまとめられるのが家庭料理として愛されてきた理由のひとつ。
肉・魚・野菜など、どんな食材にも合わせやすく、手軽に作れる“日常の煮物”として親しまれています。
旨煮と「とろみ」の関係
実は、旨煮そのものにとろみが必須というルールはありません。煮汁を軽く煮詰め、味を絡めるだけで仕上げる料理も多くあります。
ですが、家庭料理としての旨煮では、とろみをつけることがよくあります。理由がこちら…
● 味が素材にしっかり絡む
とろみがあることで、豚肉やチンゲン菜の茎・葉に調味料が均一にまとい、味のりがよくなるため、短い煮時間でもおいしく仕上がります。
● 時短でも味が決まりやすい
水溶き片栗粉は加えるとすぐにとろみがつくので、煮汁を長く煮詰める必要がなく、短時間調理に向いているという利点があります。

チンゲン菜の茎と葉の食感がいかし、短時間で仕上げるという点で、今回のレシピは、とろみをつけるのが最適ですね♪
レシピ|チンゲン菜と豚肉の旨煮
材料(2人分)
- チンゲン菜…2株
- 豚肉…150g(こま切れ、バラ肉など)
- しょうが…1かけ
- サラダ油…小さじ1
〈調味料A〉
しょうゆ…大さじ1/酒…大さじ1/みりん…大さじ1/砂糖…小さじ1/水…100ml
〈水溶き片栗粉〉
片栗粉…小さじ1/水…小さじ2
作り方
チンゲン菜は茎と葉に分け、茎は大きければさらに半分に切る。
豚肉は食べやすい大きさに、生姜は千切りにする。

フライパンに油を熱し、しょうがと豚肉を入れ、肉の色が変わるまで、ほぐしながら炒める。

チンゲン菜の茎を入れ、軽く炒め合わせる。
油が回ったらOK。

調味料Aを加え、2〜3分ほど煮る。
豚肉と茎に味をふくませるイメージで。

葉を加えてしんなりしたら、水溶き片栗粉を回し入れ、とろみをつける。
煮立たせてとろみを安定させる。

美味しく作るポイント
チンゲン菜は「加熱しすぎない」
チンゲン菜は火が通りやすい野菜です。とくに茎はシャキッとした歯ざわりが持ち味なので、炒めすぎると食感がぼやけてしまいます。
葉は最後に加え、色が鮮やかに変わったらすぐ火を止めるくらいがベストです。
豚こまは広げて炒めると味しみがよくなる
豚こま切れ肉は、重なったまま加熱すると固まりやすく、火の通りもムラになりがちです。
フライパンに入れたら最初にしっかり広げるようにほぐすことで、表面に均一に火が入り、調味料の味もきれいにしみ込みます。
水溶き片栗粉は入れる直前に混ぜて
片栗粉は時間がたつと下に沈むため、混ぜずに入れるとダマになりやすくなります。
とろみをつける直前にもう一度よく混ぜてから加えることで、スッと滑らかなあんに仕上がります。
入れた後は、いったん軽く煮立たせるととろみが安定します。
アレンジのアイデア
オイスターソースでコクをプラス
調味料Aにオイスターソース小さじ1を加えると、旨みがぐっと深まります。コクのある味わいになり、白ごはんにもよく合います。
きのこを加えて旨みとボリュームアップ
しめじ・しいたけ・まいたけなどのきのこを一緒に煮ると、だしのような旨みが加わり、満足度の高い一皿に。具材の種類が増えるので、彩りも良くなります。
ラー油で大人向けのピリ辛仕立てに
仕上げにラー油を数滴たらすと、味がぐっと引き締まり、おつまみにもぴったりの風味に。辛さは調整しやすく、甘辛いあんともよく合います。
おわりに|やさしい甘辛味で、食卓にほっと一品
チンゲン菜と豚肉の旨煮は、手早く作れるのにどこか落ち着く味わいで、日々の食卓にそっと寄り添ってくれる料理です。
シャキッとした茎の食感や、甘辛いあんのとろみも心地よく、ごはんが自然と進む一皿になります。
旬の時期はもちろん、通年手に入りやすい野菜なので、思い立ったときにすぐ作れるのも魅力のひとつ。
気持ちを整えたい日に作って、ほっと一息ついていただけたら嬉しいです。
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