~さしすせそ歳時記|季節の食材と和の調味料で楽しむ、四季の台所~
日本の台所には、昔から受け継がれてきた「さしすせそ」の知恵があります。
砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)・醤油(せ)・味噌(そ)。
それぞれの調味料は、旬の食材を引き立て、季節の食卓を豊かに彩ってくれます。
このシリーズでは、旬の恵みと和の調味料を組み合わせた、季節感あふれるレシピをご紹介します。
空気がひんやりと深まり、野菜売り場にかぼちゃ、れんこん、さつまいもなど“秋の恵み”が並ぶ季節になりました。
どっしりとした甘みや香りが魅力の秋野菜ですが、こっくり仕上げるだけでは少し重たく感じる日もありますよね。
実はそんなときに頼りになるのが、「酢(す)」です。酸味がすっと味をまとめ、素材の甘さや食感を上品に引き立ててくれます。
今日は、秋野菜をもっと軽やかに、そして美味しく楽しむ“酢づかいの知恵”をご紹介します。
酢が秋野菜をおいしくする理由

甘みを引き立てる
秋野菜は、水分が少なく甘さが凝縮しているのが特徴。
そこに酢がひとさじ入ることで酸味がアクセントとなり、甘さがくどくならず品よくまとまります。
かぼちゃやさつまいもなど、甘みの強い野菜こそ相性抜群です。
ほっくり・シャキッの食感と好相性
れんこん・ごぼうの“シャキ”と、里芋・かぼちゃの“ほく”――。
秋野菜の食感は個性豊か。酢のさっぱり感は、こうした食感を引き立て、食べ疲れのしない仕上がりにしてくれます。
彩りをきれいに保つ
特にれんこん、かぶ、赤大根などは、酢を加えることで変色が抑えられ、仕上がりが美しいのも嬉しいポイント。
お弁当や常備菜にも向きます。
秋野菜×酢のおすすめ組み合わせ
れんこん × 酢(シャキッ+爽やか)

秋のれんこんは、歯ざわりの良さが魅力。酢を合わせると、軽やかで上品な味に仕上がります。
おすすめ料理例
- れんこんのはちみつ甘酢炒め(甘酸っぱいタレがカリッと絡む)
👉この後に出てくるレシピセクションでご紹介♪ - れんこんとにんじんの甘酢きんぴら(砂糖控えめでも味が決まる)
- れんこんの薄切りマリネ(サラダに添えても映える酸味)
かぼちゃ × 酢(甘みを上品にまとめる)

こってりしがちなかぼちゃ料理も、酢を少量入れると後味がすっと軽やかに。
おすすめ料理例
- かぼちゃの甘酢炒め(甘みを引きしめる定番)
👉この後に出てくるレシピセクションでご紹介♪ - かぼちゃの揚げ浸し・甘酢がけ(脂っこさが消えて食べやすい)
- かぼちゃと玉ねぎの甘酢サラダ(秋らしい甘みが生きる一品)
さつまいも × 酢(ほっくり感を程よく引き締める)

甘さの強いさつまいもには、少量の酢で甘みが立ち、重たさが解消されます。
おすすめ料理例
- さつまいもの甘酢照り炒め(蜜のような照りと軽い酸味)
- さつまいものレモン煮 (やさしい酸味で秋の定番)
- さつまいもとれんこんのさっぱりきんぴら(秋野菜の食感が楽しい)
ごぼう × 酢(土の香りがやわらぐ)

ごぼうの香りと酸味の相性は良く、秋らしい“香りの強さ”をすっきりとまとめます。
おすすめ料理例
- ごぼうの甘酢炒め(香りが立ち、食べやすい)
- ごぼうの唐揚げ・甘酢がけ(揚げ物に酢を合わせると軽やか)
- ごぼうとにんじんの香味甘酢漬け(秋の作り置きに最適)
赤大根 × 酢(色が映える)

秋に出回る赤系大根は、酢と合わせることで鮮やかに発色します。
おすすめ料理例
- 赤大根の甘酢漬け(色が美しく作り置き向き)
👉この後に出てくるレシピセクションでご紹介♪ - 赤大根と柿の甘酢サラダ(秋らしい組み合わせ)
- 赤大根の薄切りマリネ(軽い酸味が素材の甘みと好相性)
【レシピ】秋野菜と酢でつくるさっぱり常備菜
れんこんのはちみつ甘酢
焼きつけたれんこんに、やさしい甘酢がじんわり。食卓の名わき役に。
かぼちゃの甘酢炒め
ほっくり甘いかぼちゃに、キリッとした酸味がよく合う定番の一皿。
赤大根のさっぱり甘酢漬け
切って漬けるだけ。鮮やかな色が秋の食卓を彩る常備菜。
おわりに|秋の食卓を軽やかに♪
秋野菜の甘みやほっくりした食感は、それだけで季節のしあわせを感じられるものですよね。
そこに酢を少し加えると、味わいがすっと整って素材の魅力がいっそう際立ちます。
「今日はこってりより、ちょっと軽いものがいいな」
そんな日こそ、酢の力が頼もしく感じられるはずです。
季節の移ろいとともに、酸味もまた心地よく感じる頃。
どうぞ、秋の食卓で“酢のおいしい使い方”を楽しんでみてください。
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