~和ごはん歳時記~
季節がひとつ動くたびに、台所にも小さな変化が訪れます。
昔から受け継がれてきた行事や、その日に食べたい和のおかずたち——そんな“季節のしるし”を、日々のごはんといっしょに楽しんでみませんか。
「和ごはん歳時記」では、その月らしい習わしや、心ほっとする和のごはんをやさしくお届けします。季節の台所に、そっと寄り添うことができますように。
一年の終わりにあたる大晦日。振り返ってみると、本当に一年があっという間だったように感じます。
南信州の大晦日は、「御歳取り(おとしとり)」といって、一足早くおせち料理やごちそうを囲み、ゆく年くる年を祝います。
家族が集まり、紅白歌合戦を見ながら食卓を囲む大晦日。子供のころから馴染みのあるこの時間が、私はとても好きです。
皆様にとっても、一年を振り返りながら、それぞれのご家庭で、きっと特別な思いを込めてこの日を過ごされていることと思います。
慌ただしかった日々を思い返しながら、この一年も、食に向き合い、台所に立ち、言葉を綴る時間を重ねてきました。
一年への感謝を込めて。
大晦日の食卓に込められてきた意味を、少したどってみたいと思います。
大晦日とは、どんな日?
大晦日は「晦日(みそか)」の中でも、いちばん大きな節目の日。(「晦日(みそか)」とは、月のいちばん最後の日を指す言葉です)
昔の人にとって年の変わり目は、単なる日付の区切りではなく、暮らしを整え直す大切な時間でした。
この日は、年神さまを迎える前の準備の日でもあります。家を整え、心を静め、一年を無事に過ごせたことに感謝する。
なんといっても大晦日は、「終わり」と「はじまり」が重なる、特別な夜ですね。
年越しそばに込められた、ささやかな願い

大晦日の食卓といえば、年越しそばを思い浮かべる方も多いでしょう。細く長く続くそばの姿には、健康や長寿、家運長久への願いが重ねられてきました。
また、そばは切れやすいことから、一年の厄や苦労を断ち切る、という意味も込められています。
地域や家庭によって、温かいかけそばだったり、ざるそばだったり。具だくさんにする家もあれば、そばだけを静かに味わう家もあります。

個人的には今年はそば打ちを頑張った年でもあります。
お客様にお出しするにはもう少し修行が必要ですが…^^;来年からも更なる精進を重ねていきます!(宣言)

台所から一年を見送るということ
大晦日の台所仕事は、料理だけではありませんね。包丁を洗い、布巾を替え、食材を使い切る。
「来年のために新しくする」というよりも、「今年使ってきたものを、きれいに整えて終える」。そんな感覚が、この日の台所にはよく似合います。
台所は、一年の暮らしが集まる場所。
静かに火を落とし、「今年もありがとう」と心の中でつぶやくような時間も、大晦日の大切なひとコマです。
おわりに|一年の感謝を込めて

一年の終わりに、静かに食卓を整える。大晦日の一膳には、そんな役割があるのかもしれません。
この一年も、台所に立ち、食に向き合う時間を重ねることができました。
料理を作ること、食べていただくこと、言葉にして届けること。そのひとつひとつは、決してひとりでは成り立たず、多くの方に支えられてきたものだと感じています。
料理を通して出会ってくださった方、静かに見守り、応援してくださったすべての皆さまへ、この場を借りて、心より御礼申し上げます。
行く年を見送り、来る年へ。
また台所から、小さな季節の気配や、ほっとする一皿をお届けできたら嬉しいです。
どうぞ、穏やかな年越しをお迎えください。
『和ごころごはん帖』
運営者:やまだまゆみ
\和ごはん歳時記|行事食カレンダー/
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