~和ごはん歳時記~
季節がひとつ動くたびに、台所にも小さな変化が訪れます。
昔から受け継がれてきた行事や、その日に食べたい和のおかずたち——そんな“季節のしるし”を、日々のごはんといっしょに楽しんでみませんか。
「和ごはん歳時記」では、その月らしい習わしや、心ほっとする和のごはんをやさしくお届けします。季節の台所に、そっと寄り添うことができますように。
寒い日が続くと、からだにやさしいものが食べたくなります。
お正月のごちそうがひと段落した頃や、少し食べ疲れを感じた日に、そっと寄り添ってくれるのが小豆粥です。
甘いお汁粉とは違い、塩味でいただく小豆粥は、小豆とお米のやさしい甘みを感じられる、滋味深い一椀。
行事食としてだけでなく、日々の食卓にも無理なく取り入れられるごはんです。
この記事では、基本の作り方とともに、小豆粥に込められてきた意味や、楽しみ方をわかりやすくご紹介します。
小豆粥とは
小豆粥は、炊いた小豆とお米を一緒に煮て作るお粥。
小正月(1月15日)を中心に、地域によっては松の内や寒い時期の養生食として食べられてきました。
赤い小豆には、邪気を払う という意味も込められ、派手さはなくとも、暮らしに根付いた行事食のひとつです。
小豆粥が食べられてきた背景には、「小正月」というもうひとつのお正月の存在があります。行事の意味や由来については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
▶︎ 小正月とは?意味・由来・食べものをやさしく解説🔗
小豆粥の基本レシピ(2人分)
材料
- 乾燥小豆……40g
- 米……1/2合
- 水……約700〜800ml
- 塩……小さじ1/3前後(好みで調整)
下準備|小豆を下ゆでする

- 小豆は洗い、鍋に入れてたっぷりの水で火にかける
- 沸騰したら弱め中火にし、10分ほど茹でる
- 茹で汁は一度捨て、小豆を軽く洗う
※渋切りは「一度」でOK。えぐみを抑えつつ、風味は残します。
作り方
下ゆでした小豆と、洗った米、分量の水を鍋に入れる。
(この段階では混ぜすぎず、具材をそっとなじませる程度で大丈夫)

中火にかけ、鍋の中がふつふつと沸騰するまで加熱する。
(吹きこぼれそうになったら、火加減を少し調整する)

沸騰したら弱火に落とし、ふたを少しずらして30〜40分ほどコトコト煮る。

米がやわらかくなったら、塩を加えて全体の味をととのえる。

火を止めて、味ととろみを全体になじませる。
(状態を見て水分を微調整しても◎。水を足したら2~3分加熱)
おいしく仕上げるポイント
- 混ぜすぎない
お粥は混ぜすぎると米のでんぷんが出て、粘りが強くなりがちです。
基本は触らず、鍋の中をそっと見守るように火を通すと、口当たりのよい仕上がりになります。 - 水分はやや多めに
小豆粥は、火を止めたあとも米が水分を吸い、時間とともに固くなります。
仕上がりは少しゆるいかな、と思う程度がちょうどよく、食べる頃に自然となじみます。 - 塩は最後に加える
塩を早く入れると、米が煮えにくくなったり、味が立ちすぎることがあります。
仕上げに加えることで、小豆と米のほのかな甘みを引き立てる、やさしい味わいになります。 - 塩は控えめから
まずは控えめに加え、味を見ながら少しずつ足していくのが基本。塩が前に出すぎないことで、滋味深い小豆粥らしさが生まれます。

噛むほどに感じられる、小豆とお米の自然な甘みを楽しんで♪
アレンジ・食べ方のヒント
こんなアレンジもあり♪ お好みで楽しんでみてください。
- 焼き餅を少しのせて
小正月らしい食べ方として親しまれているのが、焼いたお餅を添えるスタイル。
香ばしさとお米の甘みが重なり、腹持ちもよく、節目の一椀として満足感が増します。 - 白ごま・黒ごまをふって
仕上げに少量のごまをふると、香ばしさが加わり、味わいに奥行きが生まれます。白ごまはやさしく、黒ごまはコク深く。気分に合わせて使い分けるのもおすすめです。 - 梅干しを添えて
小豆粥の穏やかな味わいに、梅干しの酸味がよいアクセントになります。
少しずつ崩しながら食べることで、最後まで飽きずに楽しめます。
保存の目安
作りたての風味を大切にするため、基本はその日のうちに食べ切るのがおすすめです。
- 冷蔵保存
保存する場合は、粗熱を取ってから密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。
保存期間の目安は1日以内。できるだけ早めにいただきましょう。 - 温め直すとき
時間が経つと粥が固くなりやすいため、鍋に移して水を少し足し、弱火で温め直すのがおすすめ。焦げつかないよう、混ぜながらあたためてください。
※お粥類は再加熱を繰り返さず、一度温めたものは食べ切るようにしましょう。

小豆粥は水分が多く、傷みやすい料理。できるだけ早めに食べきるのがおすすめ。
おわりに
小豆粥は、特別なごちそう…というわけではありません。
た、私は季節の変わり目や身体をいたわりたいとき、ふと思い出してつくりたくなる一椀です。
行事食として受け継がれてきた意味を感じながら味わうのもよし、
体調に合わせて、ふだんのごはんとして取り入れるのもよし。
その日の暮らしに寄り添うかたちで、無理なく、小豆粥を楽しんでみてくださいね。
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