~さしすせそ歳時記|季節の食材と和の調味料で楽しむ、四季の台所~
日本の台所には、昔から受け継がれてきた「さしすせそ」の知恵があります。
砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)・醤油(せ)・味噌(そ)。
それぞれの調味料は、旬の食材を引き立て、季節の食卓を豊かに彩ってくれます。
このシリーズでは、旬の恵みと和の調味料を組み合わせた、季節感あふれるレシピをご紹介します。
秋の恵み「栗」をじっくり煮含めた「渋皮煮」は、手間がかかるけれど完成したときの喜びはひとしお!
渋皮を残すことで独特のほろ苦さと香ばしさが加わり、甘みとの調和が大人の味わいを演出します。贈り物やお茶菓子としても喜ばれる、秋ならではの一品です。
レシピ|栗の渋皮煮
それでは早速、作り方を解説していきますね♪
材料(作りやすい分量)
- 渋皮付き栗 … 500g
- 水 … 各回で栗がかぶる量(約1〜1.5L目安)
- 重曹 … 各回 小さじ1(3回分)
- 砂糖 … 300g(上白糖またはグラニュー糖)
作り方
- 鍋に栗と水、重曹(1リットルに対し)小さじ1を入れて弱火にかける。
- アクをすくいながら10分煮て火を止め、湯を捨てる。
- 新しい水+重曹小さじ1で同じ工程を合計3回行う。

下ゆでで柔らかくなった渋皮を竹串や指先でやさしくこそげ、筋や毛羽立ちを取る。

新しい水で2回ほど煮こぼし、重曹をしっかり抜く。

- 鍋に栗を入れ、栗がかぶる程度の水を注ぐ。
- 砂糖を3回に分けて加え、弱火で煮る。
- 煮立ったら1/3を加える
- 10分後に2回目の1/3を加える
- さらに10分後に残りを加え、20分ほど煮含める
- 落とし蓋をして、煮汁が全体に行き渡るように仕上げる。
- 煮汁が減りすぎたら、ひたひたになる程度まで差し水して調整する。

粗熱を取り、煮汁に漬けたまま冷ますと味がよく染みる。

美味しく作るコツ
渋皮煮は手間がかかる分、ちょっとした工夫で仕上がりが大きく変わります。失敗を防ぎ、より美味しく仕上げるためのポイントを押さえておきましょう。
重曹水は毎回新しく
重曹水は煮るたびに必ず新しく作り直すことで、渋みや雑味が残りにくくなります。
アクはその都度すくう
煮ているときに浮いてくるアクを取り除くと、仕上がりの味が澄みます。
渋皮はやさしく扱う
渋皮を傷つけすぎると煮崩れの原因に。筋や毛羽立ちを取るときは、やさしく丁寧に。
砂糖は分けて加える
砂糖を一度に加えると実が締まって崩れやすくなるため、数回に分けて加えるのがコツ。照りも出やすくなります。
保存方法
保存しておくことで長く楽しむこともできます。用途に合わせて保存方法を選びましょう。
冷蔵保存
煮汁ごと清潔な容器に入れて冷蔵庫へ。約1週間を目安に食べ切りましょう。
冷凍保存
煮汁ごと保存袋に入れて空気を抜き、冷凍庫で保存。約1か月持ちます。解凍は冷蔵庫で自然解凍し、煮汁ごと温め直すと風味が損なわれません。
渋皮煮のアレンジ活用アイデア

そのまま食べるのが美味しい渋皮煮ではありますが…たくさん出来上がったらこんな食べ方も♪贅沢気分を味わえますよ^^/
渋皮煮のせモンブラン風
スポンジやカステラに生クリームを重ね、渋皮煮をトッピング♪
市販のケーキでも、渋皮煮を添えるだけで秋らしいモンブラン風のデザートになりますよ。
アイスやヨーグルトのトッピング
バニラアイスや濃厚ヨーグルトに渋皮煮をのせれば、手軽に秋の甘味に。
煮汁を一緒にかけても◎!
渋皮煮入りパウンドケーキ
刻んだ渋皮煮を生地に混ぜ込んで焼けば、しっとりとした栗の香り豊かなケーキに。
贈り物やティータイムにぴったりです。
おわりに|手間をかけるからこそ特別な味に
栗の渋皮煮は、下処理から煮含めまで少し根気がいります。
ですが、その分だけ仕上がりは格別!
ほろ苦さと甘さが織りなす奥深い味わいは、秋の恵みを存分に感じさせてくれます。
贈り物やお茶の時間のおともに、ぜひ手作りしてみてくださいね。
\🌰 栗についてもっと知りたい方はこちら!/
▼

\🍚 秋の味覚をもっと楽しむなら/
▼
\秋の行事食を楽しむならこちら/
▼