~和ごはん歳時記~
季節がひとつ動くたびに、台所にも小さな変化が訪れます。
昔から受け継がれてきた行事や、その日に食べたい和のおかずたち——そんな“季節のしるし”を、日々のごはんといっしょに楽しんでみませんか。
「和ごはん歳時記」では、その月らしい習わしや、心ほっとする和のごはんをやさしくお届けします。季節の台所に、そっと寄り添うことができますように。
鏡開きにいただく、おしるこやぜんざい。
賑やかだったお正月をそっと締めくくり、日常へ戻っていくための一杯―――そんなふうに感じています。
甘い小豆に香ばしく焼いたお餅を入れるお汁粉(ぜんざい)は、体がほっと温まり、気持ちも自然と落ち着いてくるから不思議です。
この記事では、行事の意味に寄り添いながら、甘さ控えめで、後味のやさしいおしるこ・ぜんざいの作り方をご紹介します。
鏡開きと、おしるこ・ぜんざい
鏡開きでは、割った鏡餅を火を通していただきます。小豆は古くから、邪気を払う縁起のよい食材とされ、鏡開きのお餅と組み合わせることで、
- 年のはじまりの力を穏やかに体に取り入れる
- 正月明けの体を温め、整える
という意味合いが重ねられてきました。
おしるこ・ぜんざいは、鏡開きという行事にとてもよく似合う食べ方です。
おしることぜんざいの違い
おしるこ・ぜんざいは、どちらも小豆と餅を使った甘味ですが、呼び方や中身の捉え方には地域差・家庭差があるようです。
関東での考え方
関東では、汁気のあるもの全般を「おしるこ」と呼ぶことが多く、粒あん・こしあんの違いはあまり厳密に分けられていません。
- 汁気が多い → おしるこ
- 小豆の形が残っていても「おしるこ」と呼ぶことが多い
そのため、「ぜんざい」という言葉自体をあまり使わない家庭もあります。
関西での考え方
関西では、粒あんか、こしあんかで呼び方を分ける傾向があります。
- 粒あん+汁気あり → ぜんざい
- こしあん+汁気あり → おしるこ
また、汁気が少なく、小豆と餅を別々に盛るものを
「亀山(かめやま)」などと呼ぶ地域もあります。
鏡開きのおしるこ・ぜんざい 基本レシピ
材料(2杯分)
- 茹で小豆(甘さ控えめ)……200g
- 水……180〜200ml(好みで調整)
- 切り餅(鏡開きの餅)……2~4個
- 塩……ひとつまみ(必要に応じて)
- (砂糖…甘くしたいときに好みに応じて足す)
※「市販のゆであずき缶」なども、もちろんOK(あずき缶はしっかりと甘さがあるので水の量で調整してください)
※手作りの 茹で小豆は、甘さ控えめにしておくと、あとから調整しやすいです。
おしるこ・ぜんざいの土台になる、基本の茹で小豆の作り方は、こちらの記事で丁寧にご紹介しています。
▶基本の茹で小豆レシピ🔗
作り方
鏡開きの餅は、焼く・茹でる、どちらでもOK。


香ばしさを出したい場合は焼き、トロリとやさしく仕上げたい場合は茹でがおすすめです。
鍋に茹で小豆と水を入れ、弱めの中火で温めます。
沸騰させず、ふつふつする程度が目安。

味をみて、甘さが足りなければ砂糖を少量ずつ足します。
最後に塩をひとつまみ加えると、甘みが引き締まります。

今回の我が家は・・・
200gの茹で小豆(茹で小豆の甘さは小豆200g:砂糖120gの甘さ控えめ)に対し、大さじ1砂糖を足しています。
(▶茹で小豆のレシピはこちらへ🔗)
好みなのであくまでも参考程度に。味を見ながら少しずつ足してくださいね。
器に餅を入れ、温めた小豆を注いで完成。


鏡開きは必ずしもお汁粉(ぜんざい)でなければいけないわけではありまん。焼き餅、揚げ餅、お雑煮、おかき…ぜひ、暮らしに合った食べ方で楽しんでください。
鏡開きの由来や意味、お餅の食べ方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
▶【鏡開き】の意味とお餅の食べ方🔗
美味しく作るポイント
- 甘さは控えめに
正月明けの体には、軽やかな甘さがよく合います。甘さが足りない場合は、少しずつ足して調整することができるので、まずは控えめにしておくことのがおすすめ。 - 沸騰させない
小豆の皮が破れにくく、口当たりがやさしくなります。 - 味見は少し冷ましてから
冷めると甘さを強く感じるため、作りたてはやや控えめが◎。
おわりに|正月を結ぶ、やさしい一杯
鏡開きにいただく、おしるこやぜんざい。
それは特別なごちそうというより、お正月を終え、日常へ戻っていくための、小さな区切りのような行事食ですね。
甘さを控えめにしてみたり、焼き餅や揚げ餅にしてみたり。その年、その家の暮らしに合った形で楽しめば◎。
決まりごとに縛られすぎず、でも、行事の意味にはそっと心を寄せて。そんな距離感で向き合えるのも、現代の食文化への向き合い方だと感じています。
忙しい毎日の中でも、あたたかい甘味をひと口いただく時間が、新しい一年を穏やかに始めるきっかけになればうれしいです。
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