~和ごころ素材図鑑~
季節の移ろいとともに、旬を迎える日本の食材たち。
そのひとつひとつには、自然の恵みと、昔から受け継がれてきた知恵が息づいています。
「和ごころ素材図鑑」では、そんな和の素材を、旬・産地・調理法・行事との関わりなど、暮らしに寄り添う目線でご紹介します。

スーパーの野菜売り場で、最近よく見かけるようになったスナップエンドウ。

目にはするけれど、
「いつからあった野菜だろう?」
「どうやって食べるのが正解?」
と、なんとなく手に取らずにいる方も多いかもしれません。

一昔前の家庭の食卓では、えんどう豆といえば、さやえんどうやグリーンピースが定番。スナップエンドウは、ここ十数年で少しずつ身近になってきた、どちらかというと“新顔”の春野菜です。

実は、特別な調理は必要なく、さっと茹でるだけでも、豆の甘みと歯ごたえを楽しめる、とても扱いやすい素材。

このページでは、スナップエンドウの旬や特徴、基本の下ごしらえ、家庭の台所で無理なく楽しむための使い方をまとめていきます。


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スナップエンドウとは

スナップエンドウは、えんどう豆の仲間で、さやごと食べられるのが特徴の春野菜です。

肉厚なさやと、豆のやさしい甘みをあわせ持ち、加熱してもシャキッとした食感が残ります。

下ごしらえや調理が難しくなく、家庭の台所でも扱いやすい点も魅力です。

スナップエンドウの旬は、春(3月下旬〜5月頃)。なかでも4月前後は、さやがふっくらと育ち、甘みと歯ごたえのバランスがいちばんよくなります。

近年は、ハウス栽培や産地リレーにより、2月頃からスーパーに並び始めるようになりました。そのため、「少し早い春野菜」として目にする機会も増えています。

季節の移ろいで見ると、

  • 走り(2月頃):やや小ぶりで、春を感じる先取りの味わい
  • 盛り(4月頃):甘み・食感ともに最盛期
  • 名残(5月頃):豆が育ち、加熱向きに

と、時期によって表情が少しずつ変わります。


スナップエンドウは、全国各地で栽培されている野菜ですが、春先は暖かい地域を中心に出回り、季節が進むにつれて産地が移っていくのが特徴です。

スーパーでよく見かける主な産地には、

  • 鹿児島県
  • 宮崎県
  • 愛知県
  • 和歌山県
  • 千葉県

などがあります。

冬から春先にかけては、九州などの暖地ものが中心。
その後、気温の上昇とともに本州各地の露地栽培へと移り、4月〜5月頃には、より身近な産地のものが多く並ぶようになります。

産地の違いによる大きな味の差は出にくい野菜ですが、旬の時期に近い産地のものほど、さやがやわらかく甘みがのりやすい傾向があるようです。

スナップエンドウのいちばんの特徴は、さやごと食べられる、肉厚でやわらかな食感です。

さっと火を通すと、外側のさやはシャキッと心地よく、中の豆はほくっとやさしい甘さに。ひと口の中で、食感と味わいの変化を楽しめます。

同じえんどう豆の仲間でも、さやえんどうよりもしっかりと厚みがあり、グリーンピースほど豆が固くなりすぎないため、下ごしらえや火加減に神経質にならずに調理できるのも魅力です。

青臭さやクセが出にくく、塩ゆでのようなシンプルな調理でも味が決まりやすいのは、素材そのものに甘みとうまみがあるからこそ。

和えものや卵とじ、炒めものなど、味つけや料理の幅も広く、毎日の食卓に取り入れやすい春野菜といえますね。


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下処理の基本(筋の取り方)

スナップエンドウは、調理前に筋を取るひと手間で、口当たりがぐっとよくなります。

さやの両側には、細い筋が通っているため、火を通す前に取り除いておくのがおすすめです。

以下は、私がいつもやっている方法をご紹介しますね。

STEP1
ヘタに切り込みを入れる

スナップエンドウのヘタの際、さやが丸くなっている内側から、はさみや包丁で半分ほど切り込みを入れる。
(※切り込みは先端寄りに入れると、さやに穴が開きにくく、茹でたときに水が入りにくくなります)

STEP2
ヘタを持って、ふくらみ側の筋を取る

切り込みを入れたヘタを持ち、そのまま引くと、さやの外側(ふくらみのある側)の筋が、すっと取れます。

STEP3
先端から、さやの内側の筋を取る

反対側の筋は、先端のとがった部分を爪で少し折って引くと、さやの内側(くぼんでいる側)の筋がきれいに取れます。

※若くてやわらかいものは、筋が気にならない場合もあります。そのときは無理に取らず、そのまま使っても大丈夫。

※決まりはありませんので、やりやすい方法でどうぞ♪


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おいしく茹でるコツ

スナップエンドウは、茹で過ぎないことがいちばんのポイントです。短時間で火を通すことで、色・食感・甘みを活かすことができます。

STEP1
お湯を準備する

たっぷりの湯を沸かし、湯量の約1%の塩を加える。

STEP2
茹でる

下処理したスナップエンドウを入れ、1分〜1分半茹でる

STEP3
冷水にさらす

色が鮮やかに茹で上がったら、ザルに上げ、冷水で一気に冷やす。(氷水があれば、なお〇)熱が冷めたらザルに上げ、水を切る。

※シャキッとした食感を残したい場合は短めに、和えものや卵とじなど、後から火を通す料理には、少しだけ早めに引き上げるのがおすすめです。


スナップエンドウのおすすめ定番レシピ

スナップエンドウは、下処理さえできていれば、火を通しすぎないことを意識するだけで、十分おいしく仕上がります。

まずは、素材の甘みと食感を楽しめる、家庭で作りやすい定番の食べ方から試してみてください。

スナップエンドウの甘みと歯ごたえを、いちばんシンプルに味わえる定番の食べ方です。副菜としてはもちろん、下ごしらえを兼ねた一品にも。

レシピ|塩ゆでスナップエンドウ

(基本の茹で方と同じ)

材料(作りやすい分量)
スナップエンドウ|150g(約12〜15本)
塩|湯量の約1%

作り方

  1. 下処理をしたスナップエンドウを用意する
  2. たっぷりの湯に塩を加え、1〜1分半ほど茹でる
  3. ザルに上げ、広げて余熱を取る

※そのままでも、マヨネーズや白ごまを添えても。


やさしい甘みのスナップエンドウと卵の相性は抜群。春らしい、ほっとする一皿です。▶『スナップエンドウの卵とじ』詳しいレシピはこちらへ🔗


定番の和えものも、スナップエンドウで春らしく。作り置きにも向く一品です。

簡易レシピカード|スナップエンドウのごま和え

材料(2人分)
スナップエンドウ|150g(約12〜15本)
白すりごま|大さじ2
しょうゆ|小さじ2
砂糖|小さじ1~2(お好みで)

作り方

  1. スナップエンドウは塩ゆでし、水気を切る
  2. 調味料とすりごまを混ぜる
  3. スナップエンドウを和える

※甘さは控えめにすると、副菜として使いやすくなります。


ミニコラムスナップエンドウは、家族にやさしい春野菜

スナップエンドウは、下ごしらえが簡単で、さっと火を通すだけで食卓に出せる、家庭向きの野菜です。

さやごと食べられるため、野菜を刻んだり分けたりする手間が少なく、忙しい日の副菜にも取り入れやすいのがうれしいところ。

ビタミンCや食物繊維を含み、季節の変わり目で体調を崩しやすい時期にも、無理なく食事に添えられます。
また、油を使わず調理できるため、年配の方や、あっさりした食事を心がけたいときにも向いていますね。

クセが少なく、甘みがあるので、野菜が苦手な子どもでも食べやすいのも特徴のひとつ。
まずは塩ゆでで、「この野菜、甘いね」と感じてもらえると、自然と食卓に登場する回数も増えていきます。

がんばりすぎなくても、ちゃんと季節を感じられる―――スナップエンドウは、そんな家庭のごはんに寄り添う春野菜です。


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保存方法(生/茹でた後)

スナップエンドウは鮮度が落ちやすいため、買ってきたら早めに使うのが基本。
ですが、状態に合わせて保存することで、最後まで無理なく使い切ることができます。

下処理はせず、乾燥を防ぐことを意識します。

  • 洗わずに、ポリ袋や保存袋に入れる
  • 口は軽く閉じるか、少し空気を残す
  • 冷蔵庫の野菜室で保存

保存の目安は 2〜3日程度。さやにハリがあるうちに使い切るのがおすすめです。

すぐに使い切れない場合は、さっと茹でてから保存すると扱いやすくなります。

  • 塩ゆで後、しっかり冷ます
  • 水気をよく切り、保存容器に入れる
  • 冷蔵庫で保存

保存の目安は 1日〜2日程度。和えものや炒めものなど、再加熱する料理に使うと無駄なく使い切れます。

スナップエンドウは、冷凍も可能ですが、食感がやや変わりやすいため、卵とじや炒めものなど、加熱調理向きと考えると安心です。

  • 軽く塩ゆでし、水気をふき取る
  • 保存袋に入れて冷凍
  • 保存期間の目安は 1か月以内

おわりに|春野菜は、気負わずひと品から

「どう使うんだろう」と思ったまま、なんとなく通り過ぎてしまう野菜ってありますよね。スナップエンドウもそんな食材のひとつかもしれません。

でも実際は、特別なことをしなくても、ちゃんとおいしく食べられて、季節も感じられる嬉しい野菜♪

いつものごはんに、ほんの少しだけ季節の色を足すような感覚で、楽しんでみてください。

季節の食材を、気負わず日々のごはんに。ほかの「和ごころ素材図鑑」も、よろしければのぞいてみてください。

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参考元

  • 農林水産省「野菜の旬・基礎情報」
  • JAグループ(JA全農・各地JA公式サイト)「スナップエンドウの特徴・食べ方」
  • 独立行政法人 農畜産業振興機構「野菜ブック(えんどう類)」
  • 日本食品標準成分表(文部科学省)

※旬や産地、栄養に関する情報は、上記公的資料および生産者団体の公開情報をもとにまとめています。地域や栽培方法により、時期や状態には差があります。

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