ツヤのある深い緑と、白い茎のコントラストが美しいチンゲン菜。
炒めても煮てもシャキッと歯ざわりが残り、どんな料理にもすっと馴染む万能野菜です。

寒さが深まる季節になると、葉に甘みがのってやわらかくなる、まさに“冬の青菜”。
さっとゆでておひたしに、厚揚げと煮びたしに、スープに入れてもほんのり甘くて優しい味わいです。

今回は、そんなチンゲン菜の旬や栄養、保存のコツ、定番の美味しい食べ方をご紹介します。


チンゲン菜とは

チンゲン菜(青梗菜)は、中国から伝わったアブラナ科の葉野菜です。
「青い茎」という意味の名のとおり、白い根元と青々とした葉を持ち、シャキッとした歯ごたえとほのかな甘みが特徴。

日本に入ってきたのは1970年代ごろ。中華料理の普及とともに広まり、今では和食の食卓でもおなじみの存在になりました。
おひたしや煮びたし、汁物、炒め物など、さまざまな調理法に合い、小松菜よりもクセが少なく、子どもにも食べやすいのが魅力です。

ミニコラム|日本に広まった中国野菜たち

チンゲン菜をはじめとする中国野菜が日本に定着したのは、意外にも最近のこと。1970年代の中華料理ブームがきっかけでした。

当時は、青梗菜や豆苗、にら、黄ニラなど、これまで日本ではあまり見られなかった食材が次々と登場。
その中でもチンゲン菜は育てやすく、クセが少ないことから、全国に一気に広まった“成功例”といわれています。

今では和食や家庭料理にもすっかり溶け込み、煮びたしや味噌汁など、
“和のだし”とも相性抜群。
異国からやってきた野菜が、日本の風土に根づいていく——そんな食文化の豊かさを感じさせてくれる存在です。


チンゲン菜の旬と産地

チンゲン菜の旬は10月〜3月の秋冬
寒さにあたると葉がやわらかくなり、えぐみが少なく、甘みが増します。

主な産地は茨城県・静岡県・群馬県・埼玉県・千葉県などの関東地方が中心。
いずれも日照時間が長く、冬でも栽培しやすい地域です。

ハウス栽培のおかげで一年を通して出回りますが、秋冬のチンゲン菜は格別です。


栄養と効能

チンゲン菜は、見た目以上に栄養豊富な緑黄色野菜です。

  • βカロテン … 抗酸化作用があり、肌や粘膜を健康に保ちます。
  • カルシウム … 骨や歯の強化に。牛乳が苦手な人にもおすすめ。
  • ビタミンC … 免疫力を高め、風邪予防や美肌づくりに役立ちます。
  • 鉄分・カリウム … 貧血予防や塩分排出に。

油で炒めると、脂溶性のβカロテンの吸収率がアップするため、炒め物やスープなどに取り入れるのが理想的
また、低カロリーで食物繊維も豊富なので、整腸やダイエットにもぴったりです。

🥢ミニコラム|油との相性が良い理由

チンゲン菜が中華料理によく使われるのには、きちんとした理由があります。
それは、油と一緒に調理することで、栄養もおいしさも引き立つからです。

チンゲン菜に多く含まれるβカロテンやビタミンEは脂溶性ビタミン
油と一緒に摂ることで、体への吸収率がぐんと上がります。
さらに、油でさっと炒めることで水分が程よく抜け、旨みが凝縮し、食感はシャキッと。

中華鍋での強火調理は、まさに理にかなった方法です。
和食に取り入れる場合も、ごま油で軽く炒めたり、だしに少し油を落としたりするだけで、香りとコクの深みが加わります。


下処理とゆで方のコツ

チンゲン菜を美味しく調理するには、下ごしらえがポイントです。

根元を少し切り落とし、十字に切り込みを入れて流水にさらすと、茎の奥まできれいに洗えます。汚れがひどい場合は、茎を一つずつ切り離して洗うのがオススメです。

塩を少し加えた湯で、茎→葉の順に入れて30秒〜1分ほど。
冷水にさっととると、色鮮やかでシャキッと仕上がります。

水気をよくふき取り、茎と葉を分けて炒めるのがコツ。
茎を先に炒め、葉は最後に加えると食感と色が活きます。


保存方法

湿らせた新聞紙に包み、ポリ袋に入れて立てて保存
冷蔵庫の野菜室で3〜4日が目安。
しなびやすいので、早めに使い切るのがおすすめです。

軽く下ゆで(30秒ほど)して水気を絞り、小分けにして冷凍用袋へ。
約1ヶ月保存可能。汁物や炒め物にそのまま使えます。

乾燥に弱いため不向きです。特に冬でも暖房のある室内ではすぐに傷んでしまうので、冷蔵庫がやはり安心です。


おすすめレシピ

香ばしいごま油の香りが食欲をそそる、簡単で人気の副菜。
シャキッとした歯ざわりを残すのが美味しさの秘訣です。

レシピ|チンゲン菜のナムル

材料(2人分)
チンゲン菜…1株/しょうゆ…小さじ1/ごま油…小さじ1/白ごま…少々

作り方

  1. チンゲン菜はゆでて水気をしぼり、4cm長さに切る。
  2. 調味料を混ぜ、チンゲン菜を和える。
  3. 白ごまをふる。

ポイント:ゆですぎ注意。余熱でも火が入るため、短時間でOK。

やわらかなチンゲン菜に、豚肉のうま味を閉じ込めたとろみ餡をからめて。
ごはんにもぴったりな、寒い日にうれしい一皿です。

レシピ|チンゲン菜と豚肉の旨煮

材料(2人分)
チンゲン菜…2株/豚こま切れ肉…150g/しょうが(せん切り)…1かけ/サラダ油…小さじ1

〈調味料A〉
しょうゆ…大さじ1/酒…大さじ1/みりん…大さじ1/砂糖…小さじ1/水…100ml

〈水溶き片栗粉〉
片栗粉…小さじ1/水…小さじ2

作り方

  1. チンゲン菜は茎と葉に分け、茎は4cm長さに切る。
  2. フライパンに油を熱し、しょうがと豚肉を炒める。
  3. 肉の色が変わったら、チンゲン菜の茎を加え、軽く炒める。
  4. 調味料Aを加えて2〜3分煮る。
  5. 葉を加えてしんなりしたら、水溶き片栗粉を回し入れ、とろみをつける。

ポイント
・チンゲン菜は加熱しすぎず、茎の歯ざわりを残すくらいがおすすめ。

だしの旨みがじんわり染みる、ほっとする和のおかず。

レシピ|チンゲン菜と厚揚げの煮びたし

材料(2人分)
チンゲン菜…2株/厚揚げ…1枚/だし汁…200ml/しょうゆ・みりん…各大さじ1

作り方

  1. チンゲン菜はざく切り、厚揚げは一口大に切る。
  2. 鍋にだし汁・調味料を入れて煮立て、厚揚げを煮る。
  3. チンゲン菜を加えて2〜3分煮る。

ポイント:仕上げに少し置いて味を含ませると、よりやさしい味に。

とろりとした卵と青菜の彩りが美しい、朝にも夜にも嬉しい一杯。

レシピ|チンゲン菜と卵の中華風スープ

材料(2人分)
チンゲン菜…1株/卵…1個/鶏ガラスープの素…小さじ1/しょうゆ…少々/ごま油…少々

作り方

  1. 鍋に水400mlを沸かし、鶏ガラスープの素を加える。
  2. ざく切りにしたチンゲン菜を入れて1〜2分煮る。
  3. 溶き卵を回し入れ、しょうゆ・ごま油で調える。

ポイント:卵は余熱で火を通し、ふんわり仕上げましょう。

ミニコラム|チンゲン菜と小松菜、どう違う?

見た目は似ていますが、実は別物。
チンゲン菜は中国原産、肉厚でシャキッとした茎が特徴。
一方の小松菜は日本原産で、やわらかく風味がやさしいのが特徴です。

炒め物ならチンゲン菜、煮びたしやおひたしには小松菜——
そんなふうに使い分けると、味の幅がぐっと広がります。


おわりに|冬の青菜で、やさしい一品を

茶色くなりがちな冬の食卓に、色鮮やかな緑がひとつあるだけで、食卓がパッと明るくなりますね。

チンゲン菜は、さっと火を通しても歯ざわりよく、だしや油のうまみをすっと吸ってくれる、クセがなくてどんな料理とも相性がいい頼もしい存在です。

ぜひ、今日の食卓に、冬の青菜・チンゲン菜をぜひ添えてみてください。

参考元

  • 農林水産省「野菜の旬と産地」
  • JA全農「チンゲンサイの基礎知識」
  • 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

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