肉じゃがといえば、誰もが思い浮かべる「おふくろの味」。
同じ材料でも、甘さや煮詰め具合、だしの加減は家庭によってさまざまです。
そこがまた、この料理の魅力でもありますよね。
今回は、豚バラ肉の旨みを生かした、やさしい味わいの肉じゃが。
定番料理だからこそ、美味しく作るコツはつかんでおきたいところ。
この記事では、料理のポイントをやさしく紹介しています。ぜひ自分らしい“わが家の味”を見つけてみてください。
レシピ｜豚バラ肉で作る肉じゃが
今回はたくさん作りました！
分量を今回のレシピの半分（2～3人分）にすると、作りやすいのでオススメです。
材料（4～5人分）
- 豚バラ薄切り肉…300g
- じゃがいも…5～6個（中サイズ、約700g）※男爵芋使用
- 玉ねぎ…1と1/2個
- にんじん…1本
- しらたき（あく抜き済）…1袋（約150g）
- サラダ油…小さじ2
調味料
- だし汁…400ml
- 酒…60ml（大さじ4）
- みりん…60ml（大さじ4）
- 砂糖…30ml （大さじ2）
- しょうゆ…60ml（大さじ4）
作り方
じゃがいもは一口大に切って5分程水にさらし、ザルに上げて水を切っておく。
玉ねぎはくし切り、にんじんは乱切り。豚バラ肉、しらたきは食べやすい長さに切っておく。
鍋にサラダ油を熱し、豚バラ肉を中火で炒める。
脂が透き通ってきたら、余分な油をキッチンペーパーで軽くふく。
じゃがいも、玉ねぎ、にんじんを加え、全体に油が回るまで炒める。
だし汁・酒・みりん・砂糖を加えてひと煮立ちさせ、アクを取る。
落とし蓋をして弱めの中火で約10分、しょうゆを加えて約5分、じゃがいもがやわらかくなるまで煮る。
最後にしらたきを加え、全体を軽く混ぜて5分ほど煮る。
火を止めて10分ほど置くと、味がよりしみて美味しくなる。
美味しく作るポイント
しょうゆを後入れする
しょうゆを後入れするの理由は、分子の大きさにあります。
しょうゆの旨み成分は、砂糖などの甘味分子よりも細かく、素材の内部にゆっくりと染み込む性質をもっています。
先に甘味や塩味の調味料で味のベースを作り、最後にしょうゆで全体をまとめると、味の層がきれいに重なります。
また、しょうゆの香気成分はとても繊細で、長く煮立てると揮発してしまいます。
なので、なるべく加熱時間が短い方が、しょうゆの香ばしさをそのまま残せるということになります。その代わりに、火を止めてから余熱でじっくり味を染み込ませる時間はとても大切です。
ぜったいに、しょうゆは後から！……というわけではありません。同時に入れても、もちろん普通においしく仕上がります＾＾。
でも、ちょっとだけ意識してみると、甘みと塩味がバランスよく、味の輪郭がやさしくまとまります。
決して気負わず、「今日は少しだけ丁寧に料理しようかな」——そんな気分なときに、ぜひ試してみてくださいね。
豚バラの脂は「旨みの素」
炒める段階で脂をしっかり出すことで、だしにコクが生まれます。
香ばしさを引き出すように、焦がさずじっくり。
煮上がり後の「味含ませ時間」が決め手
火を止めて10分ほど置くことで、余熱で味が中まで染み込み、じゃがいももホクホクに仕上がります。
アレンジアイデア
カレー肉じゃが
煮上がりにカレー粉を小さじ1加えると、スパイシーな香りがプラスされます。
味しみ肉じゃがコロッケ
残った肉じゃがをつぶしてコロッケに。翌日のごちそうになります。
保存の目安
- 冷蔵保存：密閉容器で3日ほど
- 冷凍保存：じゃがいもの食感がかわるので、基本的に冷凍は不可。
ただし、つぶしてコロッケなどにするなど、アレンジするならOK。その場合は、冷凍庫で2～3週間もちます。
おわりに｜おふくろの味から、自分の味へ
肉じゃがには、家庭の数だけ味がある・・・といってもいいかもしれません。
甘めが好きな人、だしをきかせたい人、しょうゆを控えめにして優しい味に仕上げる人——。決して正解は一つではなく、昔から食べ慣れてきた味が、その方にとっての「正解」です。
そんな好みの味に近づけるために、あーでもない、こーでもないと味を見ながら、やがて皆様の“自分の味”へと育っていきますように。
＼こちらもおすすめ♪秋冬の煮物レシピ／
▼
＼和の調味料で楽しむ冬野菜／
▼
