8月になると、ニュースや天気予報で「立秋(りっしゅう)」という言葉を目にします。文字通り、暦の上では秋の始まりを表しています。

外に出れば猛暑で汗だくだし、思わず「どこが秋なんだ!」と突っ込みたくなりますよね。

ですが、昔の暦(二十四節気)や自然のメカニズムを紐解くと、実はこの時期ならではの面白いトリビアがたくさん隠されています。

今回は、「立秋」に関する豆知識をご紹介しますね!


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なぜ猛暑なのに「秋の始まり」なの?

「立秋」は二十四節気(にじゅうしせっき)という中国から伝わった季節の区分で、暦のうえで秋が始まる日を指します。毎年8月7日〜8日頃に訪れ、立秋から秋分(9月22日頃)の前日までが「暦の上の秋」とされています。

それにしても、一年で一番暑い時期になぜ「秋」と呼ぶのでしょうか?

実はこれ、「ピークを過ぎたら次の季節」という古代の考え方に由来します。

  • 夏至(6月下旬): 一年で一番昼が長い日(=太陽のパワーが最大)
  • 立秋(8月上旬): 太陽のエネルギーが下がり始め、ピークを超えたタイミング

地面や空気が温まるまでにタイムラグがあるため体感は猛暑そのものですが、天文学的には「夏のピークを過ぎて秋へ向かい始めたる」ということです。

言い換えれば、「猛暑がピークを迎え、秋に向けて暑さが坂道を下り始める」・・・これがが立秋です。


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おもてなしの美学⁉ 猛暑でも立秋に「初もの(秋の味覚)」を食べる理由

「暦の上では秋・・・秋といえば『食欲の秋』ともい言うけど、この暑さじゃ食欲も出ないなぁ…」

こんな方にこそ知ってほしいのが、和食と立秋の深いつながりです。

高級料亭や割烹に行くと、立秋(8月上旬)に入った途端、まだ汗ばむ気候なのに「初サンマ」や「秋ナス」、「松茸」などがメニューに登場します。

実は和食には、季節の走り(採れ始め)である「初物(はつもの)」を食べることで、季節を先取りして楽しむ「おもてなしの美学」があります。

まだ市場にも滅多に出回らない希少な食材をお届けしたいという料理人の情熱と、「どこよりも早く旬を味わいたい」というお客様の粋な想いが重なり合って、季節を先取りする「走り」の贅沢が生まれました。

「走り・旬・名残り」でみる和食のストーリー

和食では、ひとつの食材の時期を3つに分けて楽しむ文化があります。

  • 走り(はしり) 出始めの時期。希少価値が高く、初物ならではのフレッシュな香りと先取りのワクワク感を味わう。
  • 旬(しゅん) 出盛りの時期。一番おいしく味がのり、栄養価も価格のバランスも最高な状態を楽しむ。
  • 名残り(なごり) 終わりの時期。熟成された深い味わいを噛み締めながら、過ぎ去る季節を惜しむ。

中でも「走り」は、これから訪れる季節への期待感を最高に高めてくれる特別な味わいですよね。

また、江戸時代には「初物を食べると75日寿命が延びる」といういわれもあったようです。夏の場合は、猛暑でバテがちな時期に、縁起を担ぐ意味と同時に、栄養豊かな初物を食べて元気に夏を乗り切るという理にかなった習慣でもあったのでしょうか。

体感は夏真っ只中でも、食卓に一品だけ「秋の初物」を取り入れるという、厳しい暑さを乗り切るための昔ながらの粋な知恵でもありますよね。

なぜ「75日」??
諸説ありますが、75日=1つの季節の長さであることから「季節を一つ無事に乗り越えられる」という意味が込められているようです。


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「立秋」を一番身近に実感する「暑中見舞い」「残暑見舞い」

ここで、食の話題からは少しそれますが、「立秋」という言葉と一緒にぜひ覚えておきたいのが、手紙や挨拶状のルールです。
基本的に、夏の挨拶の言葉は立秋を境に切り替わります。

投函の時期挨拶の言葉意味合い
小暑〜立秋の前日(7月7日頃〜8月6日頃)暑中お見舞い1年で最も暑い時期のお見舞い
立秋当日〜8月末(8月7日頃〜)残暑お見舞い「秋になったのにまだ暑いですね」というお見舞い

もし立秋の日に投函する場合は、「残暑お見舞い申し上げます」と書くのが一般的なマナーです。

とはいえ、手紙やはがきを出す機会が減った今の時代、本当に大切なのはマナーの正しさよりも「相手の体を気遣う優しさ」そのもの。

「毎日暑いけれど元気ですか?」と相手を想って送る一言は、どんなに暑い日でも心に心地よい涼風を届けてくれるはずです。


五感で探す「立秋の隠れサイン」

「そうは言っても秋なんて感じない…」という方は、ぜひ五感を澄ませてみてください。
身近なところに秋の気配が隠れているかもしれませんよ♪

真夏のモコモコした積乱雲(入道雲)に混じって、高い空にすーっと伸びる「うろこ雲」や「すじ雲」が見られ始めるのがこの時期。空のグラデーションが高く感じられるようになります。

日中は蝉(セミ)の大合唱ですが、夕方から夜にかけてツクツクボウシの鳴き声や、草むらからヒグラシ、スズムシの声が聞こえ始めます。

夏至に比べて日の入りが少しずつ早くなり、夕方の影が長くなってきます。19時でも明るかった空が、気づけば少し暗くなるのが早くなっているはずです。


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おわりに|健康第一で、この厳しい夏を乗り切りましょう!

近年は年々暑さが厳しさを増しており、「暦の上では秋」とは言っても現実はまだまだ危険なレベルの猛暑が続きます。

季節の移ろいに心を寄せて気持ちを整えつつも、まずはこまめな水分・塩分補給を忘れずに、エアコンを上手につかいながら健康第一でお過ごしください。

猛暑をなんとか無事に乗り切ること。そのうえで、食卓の「初物」やふと見上げた空の雲にほんの少しの涼や癒やしを感じていただけたら幸いです。

どうか、ご自愛のうえ健やかな日々をお送りくださいね。

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