さしすせそ歳時記|季節の食材と和の調味料で楽しむ、四季の台所

日本の台所には、昔から受け継がれてきた「さしすせそ」の知恵があります。
砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)・醤油(せ)・味噌(そ)
それぞれの調味料は、旬の食材を引き立て、季節の食卓を豊かに彩ってくれます。
このシリーズでは、旬の恵みと和の調味料を組み合わせた、季節感あふれるレシピをご紹介します。

菊芋といえば、「シャキッ」と軽やかな歯ざわりと、ほんのりとした甘みが魅力の冬野菜。れんこんやじゃがいもとはまた違う、その独特の食感は炒め物との相性が抜群です。

今回は、そんな菊芋を手軽に楽しめる 「菊芋のきんぴら」 のレシピをご紹介します♪

火通りが早いので、忙しい日でもすぐに作れるのもうれしいところ。
ごはんのお供にも、あと一品欲しいときにも助かる常備菜です。


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レシピ|菊芋のきんぴら

  • 菊芋…150g(皮つきのまま薄切り)
  • にんじん…1/3本(細切り)
  • ごま油…小さじ2
  • A しょうゆ…小さじ2
  • A みりん…小さじ2
  • A 酒…小さじ1
  • 白いりごま…小さじ1
STEP1
下準備をする

菊芋はよく洗い、皮つきのまま3~4 mmの薄切りにする。にんじんは細切りにする。

STEP2
炒める

フライパンにごま油を熱し、菊芋とにんじんを入れて中火でしっかり炒める。
 (全体に油が回り、菊芋の縁に少し透明感が出てくるまで)

STEP3
調味する

Aを加えて全体になじませ、水分がほぼなくなるまで炒りつける。

STEP4
仕上げる

最後に白いりごまをふり、さっと混ぜ合わせる。


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美味しく作るコツ

菊芋の良さをしっかり引き出すための、ちょっとしたポイントです。シャキッとした食感やほのかな甘みを活かす、小さな工夫をご紹介します。

菊芋の皮はとても薄く、えぐみやクセがほとんどありません。むしろ、皮の部分に土の香りと旨みがあり、きんぴらにしたときに香ばしい風味をプラスしてくれます。

たわしでよく洗って土を落とせば、そのままスライスで十分。皮つきは火の通りがほどよく、シャキッとした歯ざわりも損なわれません。

菊芋は火が通りやすいので、縁が少し透き通ってきたら、ちょうど良い合図。
ほどよい歯触りを残すことで、素朴な甘みが引き立ち、“菊芋らしさ”を感じるきんぴらに仕上がります。

菊芋は天然のオリゴ糖を含み、ほんのりとした甘さがあります。そのため、みりんや砂糖を多く入れすぎると、全体が重く感じてしまうことも。

しょうゆとみりんの最小限の甘辛味が、菊芋の素朴な香りをいちばん引き立てます。
仕上げの白ごまの香ばしさと相まって、後味が軽いのも魅力です。

菊芋は油との相性が良く、ごま油を軽くまとわせると風味がぐっと深まります。ただし、ごま油の香りが強すぎると菊芋の香りが隠れてしまうため、使い始めは小さじ1〜2程度で控えめに。
物足りなければ、仕上げにひとたらし加えると香りが立ちます。

調味料を入れたあとは、水分が飛んだタイミングで火を止めるのがコツ。
余熱でじんわり味が入り、べたつかずに軽やかに仕上がります。お弁当用にも向き、冷めてもシャキシャキ感が残ります。


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アレンジいろいろ

定番のきんぴらも、少しの組み合わせでぐっと新鮮な味わいに。
気分や献立に合わせて楽しめる、簡単で取り入れやすいこんなアレンジはいかがですか。

  • 七味唐辛子をひとふり:少しピリッとさせると、おつまみにも合います。
  • ベーコンを加える:洋風のコクが入り、菊芋がさらに甘く感じられます。
  • ごまを倍量で:香ばしさが増して、お弁当のすき間にもぴったり。
  • 甘味を控えたい場合:みりんを半量にして、酒としょうゆでキリッとまとめても美味。

ミニコラム|菊芋の“やさしい甘さ”は、からだに寄り添う働き

菊芋には、天然の水溶性食物繊維 イヌリン が豊富に含まれています。
イヌリンは腸内で水を含んでゲル状になり、糖の吸収をゆるやかにする働きがあります。

また、腸内環境を整える“プレバイオティクス”としても注目されており、
日々の食事に少しずつ取り入れることで、お通じの改善や血糖値の急上昇を抑えるサポートになると言われています。

菊芋そのものにほんのり甘みがあるのは、このイヌリンを多く含むから。
強い味付けをしなくても、自然な甘さと満足感が得られるのも、冬の台所で愛される理由のひとつです。


おわりに|菊芋の“軽やかさ”を日々の食卓に

寒い季節に出回る菊芋は、やさしい甘さと素朴な香りが魅力。

菊芋のきんぴらは、作ってみると手軽で、シャキシャキとした心地よい歯ざわりが、どんな料理にでも合う副菜です。

忙しい日でも気負わず作れて、冷めてもおいしい常備菜。冬の台所に、こんな一皿があると少し気持ちが軽くなるものです。

どうぞ、季節の恵みを日々の食卓で楽しんでみてください♪

参考元

本文の栄養情報は、下記の公的資料を参考にしています。

  • 農林水産省
  • 国立健康・栄養研究所
  • 日本食品標準成分表(八訂)

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