さしすせそ歳時記|季節の食材と和の調味料で楽しむ、四季の台所

日本の台所には、昔から受け継がれてきた「さしすせそ」の知恵があります。
砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)・醤油(せ)・味噌(そ)
それぞれの調味料は、旬の食材を引き立て、季節の食卓を豊かに彩ってくれます。
このシリーズでは、旬の恵みと和の調味料を組み合わせた、季節感あふれるレシピをご紹介します。

冬になると、白菜はそのままでも甘くて美味しいですが、ひと手間かけて“干す”ことで、さらに甘味とコクがぎゅっと濃縮されます。

今回ご紹介する「干し白菜と豚肉の炒め物」は、まさにその魅力を存分に味わえる一品。
味つけはたったのしょうゆだけ
それなのに「え、こんなに美味しくなるの?」という驚きがある、素朴で力強い冬のおかずです。

干し白菜は、以前ご紹介した《和ごころ素材図鑑:白菜》でも“甘味がアップ”としておすすめしましたが、豚肉の旨味と合わさると本領発揮。
冬の台所にぜひ覚えておきたい、簡単であたたかい定番炒めです。


レシピ|干し白菜と豚肉の炒め物

  • 干し白菜 … 200g
  • 豚バラ肉 … 100g
  • しょうゆ … 小さじ1と1/2
  • ごま油 … 小さじ1
  • 白ごま … 少々(お好みで)

干し白菜の作り方(簡易版)

〈材料〉
・白菜…1/4玉ほど

〈作り方〉

  1. 白菜を4〜5cm幅にざく切りにする。
  2. ざるやネットに広げ、風通しのよい場所で1〜2日天日干しする。
     ※夜は夜露に当たらないよう取り込みます。
  3. 白っぽくしんなりしたら完成。冷蔵で約1週間保存可能。

👉 詳しい作り方こちら (和ごころ素材図鑑:白菜)

STEP1
豚肉を炒める

ごま油を熱したフライパンで豚肉を炒め、火が通ったら一度取り出す。

STEP2
干し白菜を炒める

同じフライパンで干し白菜を1〜2分ほど炒める。

STEP3
豚肉を戻す

豚肉を戻し、全体に豚肉の脂をなじませるように炒め合わせる。

STEP4
しょうゆで味付け

しょうゆを回し入れ、全体になじませる。

STEP5
仕上げ

器に盛り、お好みで白ごまをふって完成。


美味しく作るポイント

干したことで水分が抜け、甘味とうま味が凝縮。炒めすぎず、さっと加熱することで風味が際立ちます。

ごま油+豚肉の脂は、しょうゆだけの味つけでも深いコクに。
調味料が少なくても“物足りなさゼロ”です。

味付けは最後です。しょうゆを回しかけたら香りが飛ばないよう、すぐに火を止めてOK。

ミニコラム|干すと白菜はなぜ甘くなる?

白菜を短時間でも天日や風に当てると、
・余分な水分が抜ける
・成分が凝縮
・細胞が柔らかくなり甘味が感じやすくなる

という変化が起こります。

旨味と甘味が前に出てくるので、味付けを最小限にした料理ほど違いがはっきり出ます。
しょうゆだけで成立する理由は、ここにあります


保存方法

● 保存期間の目安
・冷蔵保存:2〜3日
・冷凍保存:2〜3週間
 (干し白菜は水分が少ないため、冷凍しても味が落ちにくいです)

● 保存のコツ
・完全に粗熱を取ってから保存容器に入れる
・豚肉の脂が固まりやすいので、密閉容器やジッパー袋がおすすめ
・冷凍する場合は、平らにして小分けにすると使いやすい

● 温め直し
・電子レンジ、またはフライパンで再加熱
・乾燥した場合は、少量の水またはだしをひとさじ加えると、しっとり戻ります

● 注意点
・豚肉が入るため、常温放置はNG
・におい移りしやすいので、冷蔵庫ではしっかり密閉しましょう。


おわりに|冬の台所の“頼れる一皿”

干しただけの白菜なのに、ひと口食べると「想像以上に甘い…」と驚く方も多いはず。
豚肉の旨味としょうゆの香ばしさが合わさって、飾り気はないのにしみじみ美味しい、冬らしいおかずになります。

忙しい日でもパッと作れて、食卓がほっと落ち着く一皿。
冬野菜の底力を感じるレシピとして、ぜひ繰り返し作っていただけたら嬉しいです。

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