6月に入り、ジメジメとした雨の日が増えてきましたね。「洗濯物が乾かない…」「なんだか体がだるい…」と、ちょっと憂鬱になりがちなこの季節。
でも、私たちは何気なくこの時期の雨を「梅雨(つゆ)」と呼んでいますが、なぜ「梅」の「雨」と書くのか、考えたことはありますか?
実はこの名前、そしてこの時期にスーパーに並ぶ「青梅」には、日本のジメジメした夏を健康に乗り切るための、先人の凄すぎる知恵が隠されているんです。
今回は、知ると明日だれかに話したくなる、梅雨と梅の「へぇ〜!」なおもしろ話をお届けします。
なぜ「梅の雨」?梅雨の意外な由来

まずは言葉のひみつから。
諸説ありますが、一番有力なのは「梅の実が熟す時期に降る雨だから」という説です。
中国からこの言葉が伝わったとき、ちょうど梅が黄色く熟す時期の長雨だったことから「梅雨」と呼ばれるようになったといわれています。
経験で知っていた!先人が6月に梅を漬けた科学的理由

この梅雨の時期になると、スーパーには一斉に生の梅の実が並び、いわゆる「梅仕事(梅干しや梅シロップ作り)」の季節がやってきます。
「なぜ一年で一番ジメジメして、カビが生えやすい大変な時期に、わざわざ梅干しを仕込むの?」と思いますよね。
実は、昔の人は経験的に「梅雨時は食べ物が傷みやすく、お腹を壊しやすい時期」だと知っていました。そこで出番となるのが、今まさに旬を迎えた「梅」です。
梅に含まれる「クエン酸」には、驚くほど強力なパワーがあります。
- 強力な殺菌・抗菌作用(お弁当に梅干しを入れると傷みにくくなるアレです!)
- 胃腸の働きを活発にする
- ジメジメによる疲労を回復する
つまり、食中毒や夏バテが一番怖いこの季節に、自然はちゃんと「それを予防する特効薬(=梅)」を実らせてくれているのです。自然のサイクルと人間の体がガチッと噛み合った、完璧な先人の知恵なんですね。
作法講師が教える、食卓の「梅」の粋な楽しみ方

日本料理の格式高いお席でも、この時期は「梅」を使ったお料理や演出がたくさん登場します。
例えば、お吸い物に青梅を模したお麩を浮かべたり、煮物の隠し味に梅を使ってさっぱり仕上げたり。
お家でも、この時期のどんよりした食卓に、一粒の梅干しや、自家製の梅シロップを使ったソーダ水を添えるだけで、一気に「涼」を感じるおもてなしの食卓に早変わりします。ジメジメを嫌がるのではなく、お皿の上で「梅雨の季節を楽しむ」のが、和食のとても美しい作法(こころ)なんですよ。
まずは手軽に始められる梅仕事♪
おわりに|梅の力を借りて、梅雨の食卓を健やかに
ただの憂鬱な雨の日も、「梅の実を育てるための恵みの雨なんだな」と思うと、少し愛おしく思えてきませんか?
スーパーで青梅を見かけたら、ぜひ先人の知恵に思いを馳せてみてくださいね。
それでは、また次回の『知っておきたい和の食卓コラム』でお会いしましょう!
