~和ごはん歳時記~
季節がひとつ動くたびに、台所にも小さな変化が訪れます。
昔から受け継がれてきた行事や、その日に食べたい和のおかずたち——そんな“季節のしるし”を、日々のごはんといっしょに楽しんでみませんか。
「和ごはん歳時記」では、その月らしい習わしや、心ほっとする和のごはんをやさしくお届けします。季節の台所に、そっと寄り添うことができますように。
「もうすぐお彼岸だな」と気づいたとき、何か特別なことをしなければ…と身構えてしまうことはありませんか?
でも、お彼岸は特別な準備をするよりも、日々の暮らしを少し丁寧に整えることがいちばんの心がけだと思っています。
今年は、家のなかに小さな秋を迎え入れるような気持ちで、一緒に過ごしてみませんか。
秋の彼岸
2026年は9月20日〜26日
(中日《秋分の日》は9月23日)
お彼岸って、どんな日?
秋のお彼岸は、秋分の日を中日として前後3日間、計7日間のことを言います。
仏教では、私たちが生きるこの世を「此岸(しがん)」、ご先祖様のいる世界を「彼岸(ひがん)」と呼びます。昼と夜の長さがほぼ同じになる秋分の日は、この二つの世界がもっとも近くなると考えられていて、だからこそお墓参りをしてご先祖様を偲ぶ習慣が生まれたようです。
特別な宗教行事というより、季節の節目に立ち止まって、命のつながりを感じる日——そんなふうに受け取ってもらえたら、少し身近に感じてもらえるかもしれません。
しつらいのヒント|秋の気配を、家のなかへ

花と植物で、季節を迎える
お彼岸の花といえば菊が定番ですが、それだけにこだわらなくても大丈夫です。
ユリやコスモス、リンドウ、萩、ケイトウ、女郎花(おみなえし)、といった……秋の野の花を花瓶にそっと活けることで、ぐっと季節らしい雰囲気になります。ススキは「先を見通す」縁起ものとも言われていて、細長い穂が揺れる様子は、それだけで秋の風情があります。
仏壇に供える花は白や淡い色が基本ですが、玄関やリビングには、深紅やオレンジなど秋らしい色合いを取り入れてみてください。
- お彼岸に飾る花、決まりはあるの?
厳密なルールはありません。仏壇に供える花は、白や淡い色が基本とされていますが、「これでなければいけない」というものではないので、あまり気にしすぎなくて大丈夫。
大切なのは、新鮮なものを丁寧に供えること。また、トゲのある花(バラなど)や、香りの強すぎる花は避けるのが一般的なマナーとされています。
玄関やリビングに飾る花は色や種類を自由に楽しんでください。
- 彼岸花(ひがんばな)を家に飾らないのはなぜ?
彼岸花はお彼岸の時期に鮮やかに咲く花ですが、古くから「家に持ち込んではいけない」と言い伝えられてきました。

諸説ありますが、その理由がこちら…
まず、球根に毒性があること。かつて田畑のあぜ道に植えられていたのも、モグラやネズミよけのためでした。また、墓地に多く咲く花というイメージが強く、「死」を連想させるとして縁起が悪いとされてきた背景もあります。
地域によっては「火事になる」「不幸が起きる」という言い伝えもあり、お彼岸の飾り花としては避けるのが一般的です。
野に咲く彼岸花を眺めて秋を感じるのはとても風情がありますが、家のなかへは飾らずにおくのが無難でしょう。
香りで、空間を整える
視覚だけでなく、香りも大切なしつらえのひとつ。
白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)など和の香りのお香を炊くと、日常の空気がしゅっと切り替わります。お香を炊くことに抵抗がある方は、金木犀の香りがただよう季節でもあるので、玄関に金木製の匂い袋を置くのもおすすめです。
「香りを整えること」は、場を清める昔ながらの知恵でもあります。

白檀はやさしい甘みのある香り、沈香は深みのある落ち着いた香りで、どちらも古くから仏事に使われてきた香木です。お香専門店やホームセンターでも手に入りますよ。
灯りを、やわらかく
ろうそくの灯りが難しい場合は、和紙のランタンやあんどん型のLEDライトが手軽でおすすめです。夜、間接照明のように置くだけで、ふっと落ち着いた時間が生まれます。
掃除こそが、しつらえの基本
少し大きな話になりますが、丁寧に掃除して清めることが、最上のしつらえだと、私自身いつも意識するようにしています。
玄関まわりを磨き上げ、すっきりと整えると、花や飾りをしつらえようという前向きな気持ちになります。我が家には仏壇はありませんが、仏壇があれば、まずはきれいに整えてご先祖様を迎える準備をしていきましょう。
お彼岸の行事食のヒント|旬のものを、丁寧にいただく
おはぎ

お彼岸の行事食といえば、「おはぎ」。もち米とあんこのシンプルな組み合わせが、この時期になると無性に食べたくなります。こしあん、つぶあん、きなこ、黒ごま……お好みのものをぜひ作ってみてください。
👉作り方のポイントを丁寧に紹介♪【おはぎ】レシピはこちらの記事へ🔗
精進料理の考え方を、ちょっとだけ
お彼岸は本来、肉や魚を控えた精進料理の期間とされていました。現代の家庭でそれを再現するのは難しいですし、厳密に守る必要はありません。
「旬の野菜を主役にした食事を意識する」くらいの感覚で取り入れてみると、食卓がぐっとお彼岸らしくなります。
9月下旬は、野菜が秋へとぐっと切り替わる時期。里芋・ごぼう・れんこん・さつまいも・かぼちゃ・大根などが店頭に並びはじめます。どれもほっくりと甘く、だし醤油との相性が抜群。この時期ならではの味を、ぜひ食卓に取り入れてみてください。
けんちん汁
おすすめなのが、根菜をたっぷり使ったけんちん汁。けんちん汁は、精進料理の代表格です。
ごぼう・大根・里芋・にんじん・こんにゃく……秋の根菜を切って、ごま油で炒めてから出汁で煮るだけです。体がじんわりと温まる、この季節にぴったりの一椀です。
この一品だけでも、食卓がぐっとお彼岸らしくなりますよ。
炊き合わせ
里芋・れんこん・ごぼうなど秋野菜を、だし醤油でやさしく炊いた炊き合わせも、お彼岸の食卓によく合います。
各食材を別々に炊いて盛り合わせると、それぞれの味が際立って丁寧な仕上がりに。時間があるときにぜひ作ってみてください。
栗ごはん

秋の実りをそのまま味わえる栗ごはんは、食卓に並ぶだけで季節のごちそうですよね。
塩とお酒だけのシンプルな味付けで、栗の甘みを引き出して。ごまをひとふりすると、香りも見た目もぐっと上品になりますよ。
👉ホクホクもちもち♪【栗ごはん】レシピ記事はこちら🔗
旬の果物をお供えに
梨、ぶどう、柿——この時期にちょうど旬を迎える果物は、仏壇へのお供えにもぴったりです。
お供えしたものを「おさがり」としていただくのも、お彼岸の大切な文化のひとつ。ご先祖様を偲んで、家族でいただいてみてください。
おわりに
ご先祖様のことを思いながら、家のなかを少し整えて、季節のものを食べる・・・。そんな意識でお彼岸の7日間を過ごすことは、忙しい日常のなかで立ち止まれる、貴重な時間かもしれません。
子どもの頃の、懐かしいお彼岸のにおいを覚えている方も多いのではないでしょうか。お彼岸の食卓が、家族のそんな記憶のひとつになったら嬉しいですね。
※お彼岸の慣習や行事食は、地域や宗派によって異なる場合があります。「うちではこうしてた」という思い出があれば、それもぜひ大切に。
💡あわせて読みたい♪
▶重陽の節句、秋のお彼岸、十五夜…【9月(長月)の行事食】まとめ記事はこちら🔗
▶スポーツの日、十三夜、ハロウィン…【10月(神無月)の行事食】まとめ記事はこちら🔗
▶和ごころ素材図鑑【秋茄子】秋ナスの美味しい食べ方はこちら🔗
LINE公式アカウント開設しました!
\「気づいたら終わってた…」を/
もう失くす!
季節や日本の食文化を楽しむ
丁寧な暮らしがしたい!
そう思ってはいるのに、
気が付いたら
「あれ?もう終わってる…💧」
そんな経験ありませんか?
LINE公式アカウントでは、
そんな方に向けて月2~3回、
こんな情報をお届けしています。
・家庭で楽しめる行事食・意味や由来
・誰かに話したくなる和食文化の豆知識
・旬の食材を使ったシンプル和食レシピ
「完璧にやらなくていい。
季節を感じながら、
ちょっとだけ丁寧な暮らしがしたい…」
そんなゆるやかな気持ちで、
日々の食卓に和の豊かさを
取り入れていただけたら嬉しいです。
ブログへのリンクとともにお届け♪
時間があるときに
じっくり読んでいただけます。
───────────────────
🎁お友達登録プレゼント🎁
───────────────────
いまLINEのお友達登録をしていただくと、
【保存版PDF】12か月の和食暦
(全12ページ)
をプレゼントしています。
旬の食材・行事食・二十四節気を
月ごとにまとめたもので、
手帳に挟んだり、冷蔵庫に貼ったり、
一年を通して活躍してくれる内容です。
\下のボタンからぜひ受け取ってください♪/



