お彼岸が近づくと、無性に食べたくなるのが「おはぎ」。スーパーにも並びはじめるこの季節、もちろん買ってきてもおいしいけれど、せっかくだから今年は手作りしてみませんか?
難しそうに見えて、実はとてもシンプルな食べもの。基本の作り方さえ覚えれば、アレンジも自由自在です。定番のあんこ・きなこ・ごまから、ちょっと新しいアレンジまで、ぜひおお好みの味を楽しみながら作ってみてください。
「おはぎ」と「ぼたもち」、同じもの?

おはぎとぼたもちは同じ食べものです。春のお彼岸には「牡丹餅(ぼたもち)」、秋のお彼岸には「御萩(おはぎ)」と呼び名が変わります。春に咲く牡丹、秋に咲く萩——それぞれの季節の花に見立てた名前なんですね。
形にも違いがあると言われていて、春のぼたもちは丸く大きめ、秋のおはぎは小ぶりで楕円形が一般的です。今回ご紹介するのは、秋らしい小ぶりで楕円形のおはぎです。
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「おはぎ』の基本の作り方
「もち飯」の材料(12〜14個分)
- もち米 1合
- うるち米 1合
- 塩 ひとつまみ
「もち飯」の作り方
もち米とうるち米を合わせてといで、30分〜1時間ほど水に浸けておく(時間があれば2時間以上でもOK。浸水させると、ふっくらもちもちに仕上がります)
通常通り炊く(水加減は目盛りより少し少なめにすると、ちょうどよい硬さに)
炊き上がったら塩をひとつまみ加え、半づきになるまで軽く潰す(すりこぎやマッシャーで。粒が少し残るくらいが目安)

手を水で濡らし、ご飯を40〜45gずつ小判形に成形する
お好みの衣をコーティングでして仕上げる



💡 ひと言メモ 浸水の時間がなければ省いても大丈夫です。
また、市販のあんこを使えば、ぐっとハードルが下がりますよ。「全部手作りしなくても大丈夫」——できるところから気軽に♪これが、今後季節のたびに長く続けられる秘訣ですね。
定番「おはぎの衣(ころも)」3種のレシピ

① こしあん・つぶあん
おはぎといえばやっぱりこれ。なめらかなこしあんはやさしい甘さで食べやすく、つぶあんは小豆の粒感が残る素朴な味わいです。お供えにも映える、一番スタンダードなおはぎです。
- あんこ(市販でもOK) 300〜350g
- 成形したご飯をあんこ(25〜30g)で包む。または、ご飯の上にあんこをのせる
② きなこ
黄金色がまぶしい、香ばしい風味のおはぎ。甘さはお好みで調整できるので、あんこが苦手な方にも喜ばれます。子どもから大人まで人気のアレンジです。
- きなこ 大さじ4
- 砂糖 大さじ2
- 塩 ひとつまみ
- 混ぜ合わせたきなこを、成形したご飯にまぶす
③ 黒ごま
香りが豊かで、見た目もシックな仕上がりに。すりごまの風味がご飯の甘みと絶妙に合います。ちょっと大人っぽいおはぎを作りたいときにぜひ。
- すりごま(黒) 大さじ4
- 砂糖 大さじ2
- 塩 ひとつまみ
- 混ぜ合わせたごまを、成形したご飯にまぶす
おはぎの「衣」アレンジいろいろ

定番3種を作ったら、ぜひアレンジにも挑戦してみてください。どれもシンプルな材料で作れるものばかりです。
青のり
甘さ控えめで、しょっぱい系が好きな方に。ほかのおはぎと一緒に並べると、色のアクセントにもなります。
- 青のり 大さじ2、塩 小さじ1/4を混ぜてまぶす
黒糖きなこ
きなこに黒糖を加えるだけで、コクのある深い味わいに。普通のきなこおはぎとはひと味違う、大人好みの仕上がりです。
- きなこ 大さじ3、黒糖(粉末) 大さじ2、塩 ひとつまみを混ぜてまぶす
抹茶あん
白あんに抹茶を練り込んだ、ほろ苦さと甘さのバランスが上品な一品。緑色が鮮やかで、お茶席にも似合います。
- 白あん 200g、抹茶 小さじ1〜2を練り混ぜてご飯を包む
ずんだ
枝豆のやさしい緑色が食卓に彩りを添えます。甘さの中にほんのり塩気があって、ひとつ食べるとつい手が伸びる味わいです。
- 枝豆(さやから出したもの) 100g、砂糖 大さじ2、塩 少々
- 枝豆をゆでてうす皮を除き、すりつぶして砂糖・塩で味を整えてまぶす
栗あん
白あんに刻んだ栗の甘露煮を混ぜた、秋ならではの贅沢なアレンジ。旬の味をおはぎで楽しめる、この時期だけの特別な一品です。
- 白あん 200g、栗の甘露煮(刻んだもの) 50gを混ぜてご飯を包む
塩あんこ
あんこに塩をほんのひとつまみ加えるだけで、甘さがぐっと引き立ちます。シンプルだけど、一度食べるとやみつきになる味です。
- こしあん 300g、塩 小さじ1/4を混ぜてご飯を包む
おいしく作るポイント
① 浸水はできれば30分以上
時間に余裕があれば、炊く前にもち米とうるち米を合わせて30分〜1時間ほど水に浸けておきましょう。
忙しいときは省いても大丈夫ですが、ふっくら、もちもちの仕上がりに少し違いがでます。
② 水加減は少なめに
おはぎのご飯は、通常の炊飯より少し硬めに炊くのがポイント。水加減は目盛りより少し少なめを目安にしてみてください。やわらかく炊きすぎると成形しにくくなります。
③ 潰しすぎない
炊き上がったら半づきに——粒が少し残るくらいで止めるのが、おはぎらしい素朴な食感の秘訣です。完全に潰してしまうとお餅のようになりすぎるので、ざっくりとでOK。

お米のつぶし具合はお好みで調整してください。ちなみに私の義母は、「つぶさない」のがこだわり。お世辞ではなく、これはこれでとても美味しいんです!
④ 成形は手を濡らして手早く
もち飯は冷めると扱いにくくなります。手水(てみず)をこまめにつけながら、温かいうちに手早く成形するのがコツです。ラップを使って包むのもオススメ。形が整えやすくきれいに仕上がります。
⑤ あんこの硬さを調整する
市販のあんこは水分量によって硬さが異なります。やわらかすぎる場合は、鍋で少し煮詰めてから使うと包みやすくなります。逆に硬すぎるときは、ほんの少し水を加えて練ると調整できます。
⑥ 粗熱をとってから食べる
できたてより、少し冷ましてから食べるのがおすすめです。もち飯とあんこがなじんで、味がまとまります。常温で当日中に食べるのが一番おいしいですよ。
盛り付けのヒント

◆種類を並べると、それだけでごちそうに
2〜3種類のおはぎを一緒に盛り付けると、色と食感のコントラストが生まれて、食卓がぱっと華やかになります。「どれにする?」と選ぶ楽しさも、おはぎならではの魅力です。
◆器は和のものを
漆器や陶器の器に盛ると、おはぎの素朴な色合いがぐっと映えます。白や黒、深みのある色の器がとくによく合います。お気に入りの器を出すいい機会でもありますよ。
◆葉っぱや紙を敷いて
笹の葉や南天の葉を器の下に敷くと、ぐっと和の雰囲気が増します。手軽に取り入れたい場合は、和紙や折り紙を小さく敷くだけでも十分です。
◆お供えのしつらえとして
仏壇にお供えする場合は、半紙や白いお皿に並べて。奇数(3つ・5つ)で盛るのが基本とされています。色違いのおはぎを並べると、見た目もやさしく整います。
◆ひとつずつ個包みにしても
ラップで包んでリボンや和紙でとめれば、手土産やお裾分けにもなります。「手作りしました」のひと言が、何よりのおもてなしになりますよ。
おわりに
はじめは粒あんひとつだけでも十分。市販の茹で小豆を使うのももちろん◎。
時間に余裕があったら、あんこを手作りしてみたり、きなこやごまを並べたりと、少しずつアレンジを楽しんでみてください。
なんといっても作る工程を楽しむ、——その時間そのものが、ご先祖様への何よりの供養になるのかもしれませんね。
皆様にとって、今年の秋のお彼岸が、あたたかい時間になりますように。
※おはぎの風習やアレンジは、地域によって異なる場合があります。「うちではこうしてた」という思い出があれば、それもぜひ大切に。
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