~和ごころ素材図鑑~
季節の移ろいとともに、旬を迎える日本の食材たち。
そのひとつひとつには、自然の恵みと、昔から受け継がれてきた知恵が息づいています。
「和ごころ素材図鑑」では、そんな和の素材を、旬・産地・調理法・行事との関わりなど、暮らしに寄り添う目線でご紹介します。
薬味として少しのっている…そんなイメージが強い茗荷ですが、実は脇役にしておくには勿体なさすぎるポテンシャルの持ち主!
独特の爽やかな香りとシャキシャキした食感は、暑い季節はもちろん、火を通してもクセになる味ですよね。
今回は、読むと今すぐスーパーに走りたくなる茗荷の秘密と、毎日使いたくなる魅惑のレシピをお届けします!
茗荷(みょうが)ってどんな野菜?
普段私たちが口にしている茗荷ですが、実はどの部分を食べているかご存じですか?
そもそもどんな野菜?実は花を食べている!

茗荷はショウガ科の植物で、わたしたち日本人にはとてもなじみ深い薬味野菜ですよね。
そして一番の驚きは、私たちが普段食べている赤いぷっくりした部分は、葉でも実でもなく「花のつぼみ(花穂)」だということ!
地中からニョキッと顔を出したつぼみの状態を収穫して食べています。

ちなみに、春先に出回る白くて細長い「茗荷竹(みょうがたけ)」は同じ株の若い茎の部分。花の部分よりアクが少なくみずみずしいので、和え物や浅漬け、味噌やマヨネーズポン酢などでそのまま食べるのもおすすめです。
旬の時期
茗荷の旬は6月〜10月頃で、収穫時期によって大きく2つに分けられます。
夏みょうが(6月〜8月)
小ぶりで実が締まっており、爽やかな香りとキリッとした辛みが特徴です。薬味や生食にぴったり。
秋みょうが(8月〜10月)
ふっくらと大きめで丸みがあり、旨みが強く柔らかい食感です。こちらは、焼き物や揚げ物など、加熱調理によく合います。
主な産地

全国トップの生産量を誇るのが高知県です。ハウス栽培技術が発達しているため、年間を通して高品質な茗荷が出荷されています。
ほかにも群馬県や奈良県など全国各地で栽培されていて、旬の時期には路地もののフレッシュな茗荷が各地の直売所に並びます。
【和ごころコラム】茗荷を食べると物忘れする?の真相
【和ごころコラム】茗荷を食べると物忘れする?の真相
「茗荷を食べすぎると物忘れする」という昔話を聞いたことがありませんか?
え!?大好きなのに残念過ぎる~、なんて思ったりします。
実はこれ、お釈迦様の弟子で、自分の名前すら覚えていられないほど物忘れの激しい「周利槃特(シュリハンドク)」の墓から生えた草が茗荷だった、という故事に由来しているんですって。
実際は科学的根拠などなく、むしろ茗荷の香り成分「アルファピネン」には脳を覚醒させて集中力を高める効果があると言われています。なので安心して食べるとができます^^。
※参照元: 農林水産省「野菜の魅力再発見」/ 日本食品標準成分表(八訂)
特徴と味わい
茗荷の魅力は、なんといってもあの独特な芳香と爽快な苦み・辛みにあります。
独特の香りの正体
精油成分「アルファピネン」によるもので、一口食べると口いっぱいに爽快感が広がります。食欲を増進させる効果もあります。
シャキシャキの食感
重なり合ったつぼみ(花穂)の層が、絶妙な歯ごたえを生み出します。生なら軽やかに、加熱するとジューシーに変化します。
ミニコラム:茗荷の「赤」を綺麗に発色させる秘訣

茗荷に含まれる赤い色素(アントシアニン)は酸と反応するとパッと鮮やかなピンク色に発色します。
甘酢漬けやピクルスにすると一瞬で美しい鮮紅色に変わるのはこのためです。食卓が一気に華やぎますよ!
茗荷(みょうが)の下処理の基本
生のまま使うことが多い茗荷は、下処理をちょっと工夫すると辛みの角が取れて、劇的に美味しくなります。
基本の下処理
表面の汚れをサッと水で洗い流し、硬い根元の端(軸の部分)を数ミリだけ切り落とす。
薬味なら千切りやみじん切り、食感を楽しみたい場合は縦半分または縦4等分にカットする。
切った茗荷を冷水(できれば氷水)に1〜2分程度さらし、ザルに上げて水を切れば完了。

冷水にさらすことで、アクが抜けてシャキッと感が出ます。浸けすぎると香りが逃げるので短時間でOK!
和え物にするときなどは、キッチンペーパーなどで水分をしっかり取り除くのがポイントです。
茗荷(みょうが)を美味しく調理する3つのコツ

切り方ひとつで食感も香りも思いのまま!
実は、切り方を変えるだけで印象がガラリと変わります。
シャキシャキッとした歯ごたえを楽しみたいときは、繊維に沿って千切りにするのがおすすめ。逆に、口に入れたときに爽やかな香りをフワッと広げたいなら、繊維を断ち切るように輪切りにしてみてください。
火を通すときは「サッと」が鉄則です
茗荷は加熱しても美味しいですが、火を通しすぎるとせっかくの食感と香りが逃げてしまいます……。 炒め物や味噌汁に使うときは、仕上げの直前にパッと加えてサッと熱を通すくらいがベスト!
油や乳製品と一緒に使うと、驚くほどまろやかに!
「ちょっとあの苦みが苦手かも……」という方に朗報。そんな方には、ごま油やオリーブオイル、マヨネーズやチーズといった「脂質」と組み合わせるのがおすすめ。
茗荷の独特な苦みがカドの取れたまろやかな味わいに変身するので、クセが和らいでぐっと食べやすくなりますよ。
茗荷(みょうが)おすすめレシピ3選
メインから常備菜まで、茗荷が主役になる絶品レシピをご紹介します!
茗荷と豚肉のシャキシャキポン酢炒め
ジューシーな豚肉に茗荷の爽やかさがベストマッチ!ごはんが進むメインディッシュです。
丸ごとパクッと!茗荷の豚巻きフライ
加熱した茗荷のジューシーさに驚くこと間違いなしの絶品おかずです。
鮮やか!茗荷の丸ごと甘酢漬け
作っておくと重宝する万能常備菜。箸休めやお弁当の差し色にぴったりです。
茗荷(みょうが)の保存方法
風味を損なわずに長持ちさせる保存方法はこちら。
冷蔵保存(水に浸す)
茗荷は洗って濡らしたキッチンペーパーにくるんでポリ袋に入れ、立てて冷蔵庫で保存。(3~5日で食べきる)
面倒な場合は、保存容器に茗荷を入れ、かぶるくらいの冷水をはってフタをし、冷蔵庫で保管しても〇。2日おきに水を替えれば約2週間ほど持ちます。
冷凍保存
使いやすい形(千切りやみじん切り)にカットし、ラップで小分けにしてジッパー付き保存袋へ。約1ヶ月保存可能で、凍ったまま味噌汁や和え物に使えますよ。
おわりに|薬味だけじゃない!茗荷の魅力を食卓に
脇役に徹しがちな茗荷(みょうが)ですが、実は炒めて良し、揚げて良し、漬けて良しの万能食材!
クセがありながらも、独特の香りとシャキシャキ感が病みつきになる魅力がありますよね。私も子供の頃は大嫌いでしたが、いつの頃からか好きを飛び越え大好物になりました!
ぜひ今年の夏も、爽やかな茗荷をたっぷり楽しみたいものですね♪
この記事は、ご家庭で茗荷を余すことなく美味しく楽しむことができるよう、下記を参考元にわかりやすくまとめています。
【参照元】
- 農林水産省「作況調査(野菜)」各年統計データ
- 高知県農業振興部 公式特産品情報
- 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
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