毎年この季節になると、お米売り場に「新米」のシールが貼られたパッケージが並びはじめて、お米の美味しい季節がきたな~と嬉しくなります。
それと同時に、炊きたてのツヤツヤの新米、おかずがなくてもご飯のお供さえあれば・・・なんならご飯だけでもおかわりできちゃう——『食欲の秋』との戦いが始まる瞬間でもあります^^;
今回は、新米の特徴から炊き方のポイント、おすすめの食べ方までご紹介♪せっかくの新米だから、少しだけコツを知って、いちばんおいしい状態で味わってみてくださいね。
新米ってどんなもの?

① 「新米」の定義、実はちゃんとあります
新米とは、その年に収穫・精米されたお米のこと。農産物検査法によると、12月31日までに精米・包装されたものが「新米」と表示できるとされています。
収穫の時期は産地によって異なりますが、一般的には九州・四国など南の産地が8〜9月ごろから始まり、東北・北海道など北の産地は9〜10月ごろが中心。スーパーや米屋さんに新米が並ぶのは、9月から11月ごろが多いです。

💡ポイント
パッケージに「令和◯年産」と書いてあれば、その年の新米。精米年月日と合わせて確認してみてくださいね。
② 古米との違いは「水分量」にあります
新米がおいしい理由のひとつは、水分量の多さにあります。収穫したてのお米はみずみずしく、炊くとふっくらとした粒立ちと、甘みのある香りが際立ちます。
一方、貯蔵期間が長くなるにつれて水分が少しずつ抜けていき、それが「古米」になります。古米が悪いわけではなく、扱いやすさという点では古米のほうが炊きやすいこともあります。
でも、あの炊きたての甘い香りと、もちっとした食感は、やはり新米ならではのものですね。

💡ポイント♪
新米は水分が多いぶん、炊くときに水の量を少し控えるのがコツ。これだけでぐっとおいしく仕上がります(詳しくは次のセクションで)。
③ 旬は秋、でも「食べごろ」はいつ?
収穫したての新米は、実はすこし落ち着かせたほうがおいしいといわれています。収穫直後は水分が多すぎて不安定なため、1〜2か月ほどで味がなじんで甘みが増すと感じる方も多いようです。
ただ、これは好みの問題でもあって、「できたてのフレッシュな香りが好き」という方は、やはり出回りはじめの秋が一番の食べごろ。どちらも正解です。

いつも買っているお米と同じ銘柄の新米を手に取ってみると、違いがわかりやすいですよ。
新米をおいしく炊くコツ

新米を美味しく食べるためには、ほんの少し炊き方を変える必要があります。といって、むずかしいことはなにもなく、ちょっとしたコツだけです。
① 水加減を少し控えめに
新米は水分が多いので、いつもより水を少し減らして炊くのが基本です。目安は通常より5〜10%少なめ。炊飯器の目盛りで2合炊くなら、「2」の線よりほんの少し下——感覚としては「気持ち少なめかな」くらいで大丈夫です。
最初から大きく減らす必要はなく、まず少し控えてみて、次回に微調整するのがおすすめです。

💡ポイント
銘柄によっても水加減が変わります。「今回は少しやわらかかった」「もう少しふっくらさせたい」と感じたら、次の炊飯で少しずつ調整してみてください。
② 洗米は「さっと、やさしく」
新米は粒が柔らかく傷つきやすいため、研ぐときはやさしく、手早く行いましょう。
最初に加えた水はすぐに捨てること。最初の水はぬかのにおいが出やすいので、さっと注いですぐ流すのがコツです。あとは2〜3回、さらさらとすすぐ程度でじゅうぶん。ごしごし研ぐ必要はありません。
最近の精米技術は上がっているので、軽く洗うだけで十分白く炊けます。

💡ポイント
冬場は水が冷たくて研ぎにくいですが、冷たいままでOK。温水は米が水を吸いすぎてしまうのでNGです。
③ 『水切り・浸水』と『炊き方』
新米を研いだあとの扱いは、炊き方によって少し変わります。
【炊飯器の目盛りで水加減する場合】
水の量を炊飯器の目盛りで炊く場合は、水切り・浸水は基本的に必要ありません。
炊飯器の機能の中に浸水の工程が含まれているので、あらためて浸水時間をとる必要はありません。
【炊飯器で水を別に計量する場合】
炊飯器で水を別に計量する場合は、研いだあとにざるに上げて30分ほど水を切ってから、計量した水で炊き始めましょう。
または、15~30分浸水させてからざるで30分しっかり水を切り、「早炊き」モードで炊くのもおすすめです。すでにお米が水を吸っているので、早炊きでもふっくりきれいに仕上がります。
【土鍋などの鍋で炊く場合】
土鍋や鋳物などの鍋で炊く場合も、まず15分程(冬場は30分程)浸水させてから、ざるに上げて30分以上しっかり水を切り、あらためて計量した水で炊き始めます。鍋炊きは水の量がそのまま仕上がりに直結するので、この一手間がおいしさの決め手になります。
④ 炊き上がったら、すぐにほぐす
ほぐすのは、余分な蒸気を逃がして粒をふっくら立たせるため。そのままにしておくと、底に水分がたまってべたっとした仕上がりになってしまいます。「の」の字を描くように底からすくって返すイメージで、やさしく全体を混ぜましょう。
【炊飯器の場合】
炊き上がりの合図が鳴ったらすぐにふたを開けてほぐします。炊飯器は機能の中に蒸らしの工程が含まれているので、合図が出た時点でそのままほぐしてOKです。
【土鍋などの場合】
火を止めてから30分ほどしっかり蒸らしてからほぐします。蒸らしの時間が、芯までふっくり仕上げる大切なひと工程です。

💡ポイント♪
ほぐすときはしゃもじを立てるようにして、ご飯粒をつぶさないようにやさしく。空気を含ませるように混ぜると、ひと粒ひと粒がきれいに立ちます。
新米のおいしい食べ方

ふっくら甘くて絶品の新米ごはん。やはり、なんといってもそのまま食べるのが美味しいですね。
やっぱり「塩むすび」?!素材そのものを味わう
やはりこれがいちばん!と、勝手に思っているのが「塩おむすび」です。余計な味をつけないからこそ、お米の甘みと香りがそのままわかります。
炊きたてのご飯を少し冷ましてから、塩を手に薄くつけて、やさしくにぎるだけ。シンプルだけど最強です!

💡ポイント
塩は「にがり」入りの粗塩がおすすめ。ほんのりした塩の風味がお米の甘みを引き立てます。控えめで◎
卵かけご飯(TKG)も新米で格別に
新米の季節に「今年最初の卵かけご飯」を楽しみにしている方も多いのでは。炊きたてのご飯に、よい卵をひとつ——それだけで十分ごちそうになります。
卵は室温に戻しておくと、ご飯が冷めにくくなります。しょうゆは少量、まずは少なめに垂らして味をみながら。シンプルな料理こそ、素材の違いがはっきり出ます。

💡ポイント♪
卵かけご飯のしょうゆは、だし醤油や卵かけご飯専用のものを使っても◎。
炊き込みご飯や混ぜご飯は、秋食材と合わせて
白飯で食べるのが、絶対的におすすめではありますが・・・
きのこや栗、さつまいもなど秋の食材と合わせた炊き込みご飯なら、このうえなく贅沢なご飯になります
炊き込みご飯にする場合は、特に水加減に注意が必要です。調味料の分だけ水を減らすことと、新米使用に控えること、きのこなどからは水分が出るので、さらに水を控える必要があります。

上手に炊きあげられた新米の炊き込みご飯は、格別です♪
ミニコラム新米に関わる日本の行事
新米の保存方法
新米は水分が多い分、古米よりも傷みやすいといわれています。保存の基本は「高温・多湿・直射日光をさける」こと。
おすすめは密閉できる米びつや保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存する方法。低温・低湿度の野菜室は、お米の保存にとても向いています。ペットボトルに入れて冷蔵庫に立てておくのも、場所を取らずにすむ方法です。
常温で保存する場合は、風通しのよい涼しい場所を選び、1か月を目安に食べきるようにしましょう。

💡ポイント♪
お米は「においを吸いやすい」ので、においの強いものの近くには置かないようにしましょう。冷蔵庫に入れるときも、食材のにおいが移らないよう、しっかり密閉を。
おわりに|秋の贅沢を味わって
新米の季節は、一年でいちばんお米がおいしい時期。炊き方のコツといっても、水を少し控えて、やさしく洗って、浸水するだけ——特別な道具も技術も必要ありません。
それだけで、炊き上がりの甘い香りがふわっと広がって、ご飯だけで食卓が豊かになる。そういうシンプルなおいしさって、日本の和食文化の誇りですよね!
ぜひ今年のお米との出会いを、炊きたてのご飯でゆっくり楽しんでくださいね。
参考資料
- 農林水産省「米をめぐる状況について」
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
- 「新嘗祭について」宮内庁ウェブサイト
※この記事は、上記のような資料をもとに、ご家庭で楽しんでいただける形でまとめています。炊き加減の好みには個人差がありますので、ご自身の好みに合わせて調整してみてください。
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